Ⅱ 본인편

「고통스러운 것이 나만은 아니야」 - 스기우라 가츠아키/탈랜트(2부)

5. 先生との信頼が背中を押してくれた

~がんからの復帰

手術は全身麻酔だったから、拍子抜けするくらいあっさり終わりました。

運も良かったんです。

腫瘍そのものも眼球の痛点にあるところにはできていなかったので、

がんにかかったときも、通院しているときも、手術そのものも、

痛みはゼロでしたから。

ただ、手術が終わった後、はじめて不安にはっきり包まれました。

1週間後、取り出した眼球の検査結果が出るまで中ぶらりんの状態ですから。

仮に、がん細胞が目の外に漏れてどこかに転移していたら、

そのまま入院が続いて、

放射線や抗がん剤による治療を受けなければいけません。

いままでは痛みから逃れられたけれど、これからはそうとは限らない。

死ぬこと以上に、

病院にずっと閉じ込められたり、

闘病に苦しんだり、

痛みに悩まされる方が、

わたしとしてはつらいなあ、と思っていたんです。

手術でとったわたしの左目は、東大病院の病理で検査を受けていました。

がん細胞が外に出ていないことがわかれば、無事に退院できる。

手術からちょうど1週間後の土曜日、佐伯先生がわたしの病室にいらっしゃいました。

「いま、東大病院から連絡がありました」

はい。

「どこにも転移していないって！

明日から4日間かけて抗がん剤を打ったら、もう退院してもいいです」

もし転移していたら、治るかどうかもわからない。

そもそも芸能の仕事はとてもできなくなる。

そう言われていましたから、

先生の口から

「もう大丈夫です」

とおっしゃっていただいたときには、

付き添ってくれたおすぎと抱き合って泣きました。

ああ、この先生を信頼してよかった。

ほんとうにそう思ったものです。

5. 의사와의 신뢰가 나의 등을 밀어주었다.

~ 암으로부터 복귀

수술은 전신마취여서 (속으로 긴장했지만)맥이 빠질 정도로 깨끗이 끝났어요.

운도 좋았고요.

종양 그 자체도 안구가 아픈 곳에 있는 것이 아니었기 때문에,

암에 걸렸을 때도, 통원하고 있을 때에도, 수술 그 자체도,

통증은 전혀 없었으니까요.

다만 수술이 끝난 뒤 처음으로 불안에 확실히 휩싸였어요.

일주일 뒤 적출한 안구 검사 결과가 나올 때까지 어중간한 상태니까요.

만일, 암세포가 눈 밖에 새어나가 어딘가로 전이되어 있다면,

그대로 입원이 계속되어,

방사선이나 항암제에 의한 치료를 받아야 해요.

지금까지는 아픔으로부터 벗어날 수 있었지만, 지금부터는 그러리라고는 할 수 없어.

죽는 것 이상으로..

병원에 계속 가둬져 있거나,

투병에 시달리거나,

아픔에 괴로워하는 편이,

나로서는 괴롭다, 라고 생각했습니다.

수술로 잡은 제 왼쪽 눈은 도쿄대학 병원의 병리로 검사를 받고 있었습니다.

암세포가 밖으로 나오지 않은 사실을 알면 무사히 퇴원할 수 있다.

수술한지 딱 일주일 후인 토요일, 사에키 선생님이 제 병실로 오셨어요.

「지금, 도쿄대학 병원에서 연락이 있었습니다.」

네.

「어디에도 전이되지 않았다고!

내일부터 4일 동안 항암제를 맞으면 이제 퇴원해도 됩니다.」

만일 전이되었다면 나을지 어떨지도 모른다.

애당초 예능 일은 도저히 할 수 없게 된다.

라는 말을 듣고 있었으니까요

선생님의 입으로

「이제 괜찮아요.」

라고 말씀하실 때에는

옆에 있어 주었던 오스기(연예계 데뷔 시 동료)를 끌어안고 울었습니다.

아, 이 선생님을 신뢰하길 잘했어.

정말 그렇게 생각한 겁니다.

6. ひとりで生きているわけじゃない

~がんからの復帰

手術は終わりました。

がんからはどうやら逃れられました。

術後には念のために抗がん剤治療を行います。

退院後の8月の終わりに治療を受けたときは、

血管が腫れてちょっと痛かった以外は特になんの副作用もなかったんです。

ところが、9月の終わり、突然、髪の毛が抜け始めました。

枕元に髪の毛がたくさん落ちている。

櫛（くし）を通すと、力なく髪の毛が残る。

残る毛もどんどん細っていく。

毎朝、鏡と向き合うのが怖くなりました。

髪の抜けた顔がまるでオランウータンみたいだから。

その上、手もしびれている。

退院して2週間で仕事に復帰して、テレビの出演から講演会までめじろ押しでした。

いまさら、引っ込むわけにはいかない。

だから人前やカメラの前に出るたびに、

少ない髪をヘアメイクでふくらましてもらっていました。

悲しかった。

おかしな話ですけど、がんを宣告されたとき以上に悲しかった。

ああ、このまま、ひとにも会いたくなくなるような容姿になってしまうのかしら、

と毎日毎日ふさぎ込んでいました。

いっそのこと死にたい……、

と一瞬思ったりもしました。

では、どうやってこの悲しみに対峙（たいじ）していたかというと、

すごく悲しい映画を見たり、すごく悲しい本を読んだり、すごく悲しい歌を聞いたり。

そう、ショック療法のように、

自然と悲しみに徹底的にひたることにしたんです。

なぜかそのほうが落ち着けた。

でも、ある日、抗がん剤の副作用が消えたんでしょうね、

髪の毛が再び生えてきました。

そのときのうれしさといったら！

ちょうど12月のクリスマスの頃でした。

心の痛みは、髪が生えてきて収まりましたけれど、

収まらなかったのはお金の痛みです。

その痛みをもたらしたのは義眼でした。

義眼ってとっても値が張るんです。

作るまで相場を知りませんでした。

しかも、どんどん作り替えなければいけない。

眼球を摘出したあとの傷が治癒していく過程で

眼窩（がんか）の形がどんどん変わるからです。

最初のうちは年に20個くらいの義眼を次々とつけかえる必要がある。

そんな義眼一つ作るのに30万円くらいかかります。

保険はまったくききません。

20個も作ったら、高級車が買えるくらいの出費です。

ほんとうに大きな出費でした。

幸いなことに、

永六輔さんや石井好子さん、淀川長治さん、黒柳徹子さんらが中心になって、

わたしに義眼をプレゼントしようという会を結成し、

一口一万円で300人もの方が寄付してくださいました。

寄付してくださった方々のリストを見てびっくりしました。

わたしがそれまで表面には出さなかったけれど嫌っていたひとまでもが

お金を出してくれていたのです。

そのときはじめて、

今までいかに自分のことばかり考えて生きてきたかを

思い知らされました。

陰に陽にわたしのことを気に掛けてくれる人たちがいる。

ひとりで暮らしていても、ひとりで生きているわけではないんだな。

がんと向き合って、わたしもそのことにやっと気づきました。

6. 혼자 살고 있는 게 아니야.

~ 암으로부터 복귀

수술은 끝났습니다.

암으로 간신히 빠져나왔습니다.

수술 후에는 만약을 위해 항암제 치료를 합니다.

퇴원 후인 8월의 말에 치료를 받았을 때는,

혈관이 부어서 좀 아팠던 것 말고는 별다른 부작용도 없었습니다.

그런데 9월 말에 갑자기 머리가 빠지기 시작했어요.

머리맡에 머리카락이 많이 빠져 있었다.

빗을 빗으면 힘없이 머리카락이 빗에 남는다.

남은 털도 점점 가늘어진다.

매일 아침 거울을 마주보는 것이 무서워졌어요.

머리가 빠진 얼굴이 마치 오랑우탄 같아서요.

게다가 손도 저리고 있다.

퇴원하여 2주 만에 직장에 복귀하여, 텔레비전의 출연부터 강연회까지 많은 사람들이 줄지어 늘어섰습니다.

이제 와서 물러날 수는 없다.

그래서 사람들 앞에서나 카메라 앞에 나갈 때 마다,

적은 머리를 헤어 메이크업으로 부풀려 올렸어요.

슬펐다.

이상한 얘기지만, 암을 선고 받았을 때 보다 더 슬펐다.

아아. 이대로, 사람을 만나지 않고 싶은 용모가 되어 버리는 것일까?

라고 매일같이 울적해 하고 있었습니다.

차라리 죽고 싶다...…、

고 일순간 생각하기도 했습니다.

그러면, 어떻게 이 슬픔에 대치하고 있었는가 하면,

아주 슬픈 영화를 보기도 하고 아주 슬픈 책도 읽고, 굉장히 슬픈 노래도 듣고는 했습니다.

맞아, 쇼크요법과 같이

자연과 슬픔에 철저히 젖어들기로 했거든요.

왠지 그 편이 안정되었다.

그렇지만 어느 날 항암제의 부작용이 사라졌죠.

머리카락이 다시 자라고 있었어요.

그 때의 기쁨이란!

마침 12월의 크리스마스 무렵이었어요.

마음의 통증은, 머리가 생겨 수그러졌지만,

가라앉지 않은 건 돈 통증이에요.

그 아픔을 가져다 준 것은 의안이었습니다.

의안은 정말 값이 비싼 겁니다.

만들 때까지 시세를 몰랐어요.

더군다나, 자꾸 다시 만들어야 한다.

안구를 빼낸 후의 상처가 치유되어 가는 과정에서

안와(눈구덩이)의 형태가 자꾸 변하기 때문입니다.

처음에는 1년에 20개 정도의 의안을 차례차례로 바꿔 붙일 필요가 있다.

그런 의안 하나 만드는 데 30만 엔 정도 들어요.

보험은 전혀 소용이 없습니다.

20개나 만들면 고급차를 살 수 있을 정도의 지출입니다.

정말 큰 지출이었어요.

다행스럽게도

에이로쿠 스케 씨나 이시이 요시코 씨, 요도가와 초우지 씨, 쿠로야나기 테츠코 씨 등이 중심이 되어

나에게 의안을 선물하자는 모임을 결성하고

한 구좌에 만 엔에 300명이나 되는 사람들이 기부해 주셨어요.

기부해주신 분들의 목록을 보고 깜짝 놀랐어요.

내가 그것까지 겉으론 들어내지 않았지만 싫어했던 사람까지도

돈을 내고 있었던 것입니다.

그때 처음,

이제껏 얼마나 자기만 생각하고 살았는지

깨달았습니다.

음으로 양으로 나를 생각해 주는 사람들이 있다.

혼자 살지만 혼자 사는 건 아니구나.

암 투병을 하면서 나도 그 사실을 겨우 깨달았습니다.

7. 変わったワタシ。再発と自分への不安　

~がんから学んだこと

がんは、治療が終わっても、追いかけてきます。

転移の可能性は否定されましたが、

術後5年間は半年に1回、

全身の精密検査を受けなければいけません。

この検査が毎回とてもつらかった。

半年に1回というのは、

ちょうど自分ががんにかかっていたことを忘れそうになる頃なんですね。

ところが、検査を受けることで再び、

（もしかしたら転移しているかもしれない）

っていう恐れが舞い戻ってきてしまう。

そもそもわたしがかかったメラノーマというがんがちょっと特殊で、

脳、骨、内臓とさまざまな組織に転移する可能性があったので、

何度も何度も術後検査が必要だったんです。

しょうがないけれど、

毎回長時間に及ぶ検査の影響でしばらくの間はからだがだるくなる。

そんなこんなが嫌でした。

がんから脱したのに落ち込んでいるわたしを、永六輔さんが見かねて、

「なにか習い事をしたほうがいい」

と勧めてくれて、シャンソンを歌うことにしたんです。

今もシャンソンを続けていますが、

がんにならなかったら皆さんの前で、

シャンソンを歌うようなこともなかったでしょう。

シャンソンは人生の歌。

人生の歌をうたうきっかけは、人生を奪うかもしれないがんがもたらしてくれた。

左眼をがんで失い、義眼になると、単に片目が見えない、

という以外の「障害」があることも、はじめて知りました。

義眼になったことをわたし自身は隠すつもりは全くなかったんですね。

だから、復帰後、初めてテレビに出るときも普通にカメラの前に立とうと思っていた。

ところが、プロデューサーにサングラスをかけるよう頼まれたんですね。

見ている視聴者が義眼を気持ち悪く思うかもしれないから、と。

彼も悪気があったわけじゃないし、

一理はある意見だから、

そこであえて抵抗はしませんでした。

でも、ああ、こんなことが例えばメディアに出るときの障害になるんだ、

というのをわが身のことになってはじめて実感しました。

障害者を特別扱いしろ、という話ではもちろんありません。

障害があるかないかを、

価値判断に入れないほうがいいな、

と思ったんです。

7. 달라진 나, 재발과 자신에 대한 불안

~암으로부터 배운 것

암은 치료가 끝나도 좇아옵니다.

전이 가능성은 없을 것이라 했습니다만,

수술 후 5년간은 반년에 1번,

전신 정밀 검사를 받아야 해요.

이 검사가 매번 너무 괴로웠다.

반년에 한 번이라는 것은,

정확히 자신이 암에 걸려 있던 것을 잊어버릴 만한 때이더라고요.

그런데 검사를 받음으로써 다시

(어쩌면 전이되었을지도 모른다.)

라는 두려움이 엄습해 오고 만다.

원래 내가 걸렸던 멜라노마 (흑색종) 라는 암이 좀 특수해서,

뇌, 뼈, 내장과 다양한 조직으로 전이될 가능성이 있었으므로

몇 번이나 몇 번이나 수술 후에 검사가 필요했어요.

암은 치료가 끝나도 좇아옵니다.

전이 가능성은 부정했습니다만,

수술 후 5년 동안은 반년에 1번,

전신 정밀 검사를 받아야 해요.

어쩔 수 없지만,

매회 장시간에 이르는 검사의 영향으로 한 동안은 몸이 나른해진다.

그런 것이 싫었어요.

암에서 벗어났는데도 의기소침한 저를 에이로쿠 스케 씨가 보게 되어

「뭔가 배우는 것이 좋다」

라고 권해줘서, 샹송을 부르기로 했습니다.

지금도 샹송을 계속하고 있습니다만,

아프지 않았다면 여러분 앞에서

샹송을 부르는 일도 없었을 거예요.

샹송은 인생의 노래.

인생의 노래를 부르는 계기는, 인생을 빼앗을지도 모르는 암이 가져 주었다.

왼쪽 눈을 암으로 잃어, 의안이 되면, 단지 한쪽 눈이 안 보인다

라고 하는 것 이외의 "장애"가 있는 것도, 처음으로 알았습니다.

의안이 된 것을 내 자신은 숨길 생각은 전혀 없었습니다.

그래서 복귀 후 처음 TV에 나올 때도 그냥 카메라 앞에 서려고 했다.

그런데 프로듀서에게 선글라스를 쓰라는 부탁을 받았습니다.

보고 있는 시청자가 의안을 불편하게 생각할지도 모르니까, 라고.

그도 나쁜 뜻이 있었던 것도 아니고,

일리는 있는 의견이니까,

거기에 굳이 저항은 하지 않았습니다.

그렇지만, 아아, 이런 것이 예를 들면 미디어에 나올 때의 장해가 되는 거야.

하는 것을 자신의 일이 된 후에야 실감했습니다.

장애인을 특별 취급하라는 얘기는 물론 아닙니다.

장애가 있는지 없는지를,

가치판단을 하지 않는 편이 좋겠다,

라고 생각했죠.

8. できるだけ誰かのために

~がんから学んだこと

わたし自身は、

がんを経験したことで、

新しい出会い、新しい友人が増えました。

それまで嫌いだったひとが、

がんになったわたしを本気で心配してくれていることがわかって、

なんだ、

わたしが心を開いていなかっただけだったのか、

ということに気がつかされることもありました。

がん治療から還ってきたら、

「一緒にいて気持ちがいい」

って言ってもらえることが多くなったのにもびっくりしました。

それは、がんをきっかけに、わたしの考えが変わり、

そして同時に行動が変わったからだと思うんですね。

がんにかかる前の私は、それは自分勝手で刹那的に生きていました。

気持ちよければいい。

楽しければいい。

欲しいものがすぐ手に入ればいい。

でも、がんにかかって、がんから還ってきて、ふと気がついたら、

まず物欲のようなものがきれいさっぱりなくなっていた。

それから、

ひとを許せるようになった。

怒らなくなった。

寛容になった。

なんだかかつての自分とは正反対。

なぜだろう。

いろいろな理由はあるけれど、

がんの経験を通して、自分がいかにたくさんのひとに支えられているのか、

すごく思い知ったというのが大きいんだと思います。

だったら、

自分も誰かにかえしてあげなくっちゃ。

そんな気持ちがある。

少しでいいから、

自分が受けた恩を、別の形でかえしてあげたい。

永六輔さんをはじめ、わたしは仕事の上でも、

ずいぶんと年上のひとたちに助けられ、

ひっぱりあげられてきました。

がんになってわかったのは、

仕事だけじゃなく、

人生においても、

いろいろなひとが助けてくれていたんだなあ、

ということ。

じゃあ、わたしになにができるんだろう。

術後5年が経過して、

転移の心配がほぼなくなったとき。

佐伯先生は、わたしにこう言ってくださいました。

「医療関係者や患者さんたちの集まり、そういうところで、

もしあなたのがん体験を話すよう、お願いされたら、

ぜひ引き受けてください。

あなたの言葉が救いになるひとがたくさんいるはずですから。

お願いします」

自分ではわからないけれど、

佐伯先生がそうおっしゃるんだから、少しは役に立つのかもしれない。

だから今でもわたしは、機会をいただければ、

こうして自分の経験をお話ししています。

もともとわたしはオカマでしょ？　

だからマイノリティーの立場というのには共感できました。

病人も含めて、社会的な弱者、マイノリティーの方たちの力になれることは、

なるべくお手伝いしたい、

という思いも、自分ががんになったらはっきり自覚できるようになりました。

阪神淡路大震災を機に発足し、

災害時の障害者支援を目的とした「ゆめ風基金」のお手伝い。

こちらはもう16年間続けています。

東日本大震災でも、友人がいる縁で釜石市や福島市のひとたちのお手伝いを続けています。

小さな力にしかなれないかもしれない。

でも、小さな行動ひとつでひとりでも救いになるきっかけをわたせるのであれば、

可能な限り、からだを動かして、こうしたお手伝いは続けていきたいですね。

8. 가급적 누군가를 위하여

~ 암으로부터 배운 것

내자신은

암을 경험함으로써

새로운 만남, 새로운 친구가 늘었습니다.

그때까지 싫어했던 사람이,

암에 걸린 나를 진심으로 걱정해 주고 있는 것을 알고

뭐야,

내가 단지 마음을 열지 않았을 뿐이었는지?,

라는 것을 깨달을 때도 있었습니다.

암 치료에서 돌아오면,

「같이 있어서 기분이 좋아.」

라고 말해주시는 게 많아졌는데도 놀랐습니다.

그것은 암을 계기로 나의 생각이 변하고

그리고 동시에 행동이 변했기 때문이라고 생각하시는군요.

암에 걸리기 전의 나는 그것이 제멋대로이며 찰나적으로 살아 있었습니다.

기분 좋으면 돼.

즐거우면 돼.

갖고 싶은 게 금방 손에 들어오면 돼.

하지만 암에 걸려서, 암에서 돌아와서 문득 생각이 나면,

우선 물욕 같은 것이 깨끗이 없어졌다.

그래서

남을 용서할 수 있게 되었다.

화내지 않게 되었다.

관용이 되었다.

무언가 옛날의 자신과는 정반대.

왜 그럴까.

여러 가지 이유가 있지만

암의 경험을 통해, 자신이 얼마나 많은 사람들을 의지하고 있는지,

많이 깨달았다는 게 큰 거라고 생각해요.

그럼

나도 누군가에게 돌려줘야 해.

그런 기분이 있다.

조금이라도 괜찮으니까.

자신이 받은 은혜를 다른 형태로 돌려주고 싶다.

에이로쿠 스케 씨를 비롯해 저는 일에서도

엄청 선배들의 도움을 받아

(암에서) 끌어올려졌습니다.

암에 걸려 안 것은,

일뿐만 아니라

인생에 있어서도,

여러 사람이 도와주고 있구나.

라는 것.

그럼 내가 무엇을 할 수 있을까?

수술 후 5년이 경과하고

전이의 염려가 거의 없어졌을 때.

사에키 선생님은 나에게 이렇게 말했습니다.

「의료 관계자나 환자들의 모임, 그러한 곳에서,

만약 당신의 암 체험을 이야기하도록 부탁받으면,

꼭 맡아주세요.

당신의 말이 구원될 사람이 많이 있을 테니까요.

부탁합니다.」

스스로는 모르지만,

사에키 선생님이 그러시는 거니까 조금은 도움이 될지도 몰라.

그러니까 지금이라도 기회를 주신다면,

이렇게 자신의 경험을 이야기하고 있습니다.

원래 나는 오카마(남색)이죠?　

그래서 마이너리티 (소수자)의 입장이라는 것에는 공감할 수 있었습니다.

환자도 포함해서, 사회적인 약자, 마이너리티의 분들의 힘이 되는 것은

되도록 도와드리고 싶다

라는 생각도, 자신이 암에 걸리면 확실히 자각할 수 있게 되었습니다.

동일본 대지진에서도, 친구가 있는 인연으로 카마이시 市나 후쿠시마 市 사람들의 돕기를 계속하고 있습니다.

작은 힘밖에 되지 않을지도 몰라.

하지만 작은 행동 하나로 한 사람이라도 구원할 수 있는 계기를 내줄 수 있다면,

가능한 한 몸을 움직여서, 이러한 도움은 계속해 나가고 싶네요.

9. がんを通じて大切なものが変わった

~がんから学んだこと

がんになる前は、いま考えると、

ずいぶん格好をつけていましたね。

「いいひとに思われたい」

「頭のいいひとに見られたい」

という欲がまずありました。

でも、がんを体験したあとはそんな自己顕示欲が消えてしまった。

実に素直に行動できるようになりました。

いろいろな欲望に煩わされなくなったというのは、

とてもすっきりして気持ちがいい。

気分が楽になります。

自分の寿命はいつかくる。

それまでに、ほかのひとのために何ができるんだろう。

そんなことを自分が考えるようになるとは思わなかったけれど、

がんで死の淵をのぞいた経験が、

わたしを変えたのは事実ですね。

そんな自分の変化を、わたしは「よかった」と思っています。

もちろん、自分の本質が変わったわけじゃない。

おすぎもそうなんだけど、

もともといやなことは一晩寝ると忘れる体質なんです。

がんにかかったときの切り替えの速さもわれながらびっくりしちゃったくらいだから。

これは、わたしの持って生まれた性格だから、

みんなもくよくよしないほうがいいわよ、

なんて無責任なことはもちろん言いません。

でも、いざなってしまったら、むしろ後ろをみるよりも、

前に向かったほうがやっぱりいいと思う。

過去には戻れないのだから。

一時は控えていたけれど、

今はお酒だって普通に呑みます。

先日も、

「ピーコさんのエネルギーの素はなんですか」 と聞かれたから、

「おいしいお酒に決まってるじゃない」 と答えました。

今日も一日仕事ができ、楽しいことがあればなおよく、

嫌なことがあってもおおかた無事に過ごせたなら、

シャンパンでも飲んで、くよくよせずに寝て、

また次の日がやってくる。

そんな日々が幸せって素直に思える。

欲望が小さくなったから、それでわたしの幸せは十分なんです。

最後に。

ほんとにこんなわたしの話で役に立ったのでしょうか？

がんのつらさは私も経験しているだけに、安直なことは申し上げられません。

ただ、少しでも読んでくださった方のお役に立てれば、と思ってお話しいたしました。

がんは大変だし、つらい。

でも、がんになったことから学べること、得られることもある。

だから、前を向いて歩いてほしいんです。

杉浦 克昭（ピーコ）氏 プロフィール

服飾評論家・シャンソン歌手・タレント

文化服装学院研専卒業後、1980年おすぎとともに 《おすぎとピーコ》としてTBS「久米宏の土曜ワイドラジオTOKYO」に出演し、デビュー。44歳の時に30万人にひとりという悪性腫瘍で左目を摘出する。がんをきっかけにシャンソンを始め、2004年1月にはシャンソン歌手としてCDデビューを果たす。ファッション・ジャーナリストとして服飾評論はもとより、さまざまな分野に活動の場を広げている。

9. 암을 통하여 소중한 것이 변했다.

~ 암으로부터 배운 것

암에 걸리기 전에는 지금 생각하면

꽤 폼을 잡고 살았네요.

「좋은 사람이라고 생각되고 싶어.」

「머리 좋은 사람, 멋진 사람으로 보여 지고 싶어」

라는 욕심이 먼저 있었습니다.

하지만, 암을 체험한 후에는 그런 자기 현시욕이 사라져 버렸다.

정말 솔직하게 행동할 수 있게 됐어요.

여러 가지 욕망에 시달리지 않고 있다는 것은

너무 후련해서 기분이 좋다.

기분이 편해져요.

자신의 수명은 언젠가 끝난다.

그때까지, 다른 사람을 위해서 무엇을 할 수 있을까.

그런 일을 자신이 생각하게 될 줄은 몰랐지만,

암으로 죽음의 문턱을 들여다본 경험이,

저를 바꾼 건 사실입니다.

그런 자신의 변화를, 나는 「좋았다」라고 생각하고 있습니다.

물론 자신의 본질이 변한 건 아니다.

동료인 오스기도 그렇지만,

원래 싫은 일은 하룻밤 자면 잊어버리는 체질이거든요.

암에 걸렸을 때 변환의 속도도 나 스스로도 놀랬을 정도니까.

이것은, 내가 가지고 태어난 성격이니까,

여러분들도 끙끙 앓지 않는 편이 좋아요.

따위의 무책임한 말은 물론 하지 않아요.

하지만 막상 일어나버리면 오히려 뒤를 보는 것보다

앞으로 향하는 편이 역시 좋은 것 같아.

과거로는 돌아갈 수 없으니까.

한때는 삼가하고 있었지만,

지금은 술 정도는 그냥 마셔요.

전에도

피코 씨의 에너지의 원천 무엇입니까? 하고 많이들 물었는데,

「맛있는 술이라고 정해져 있잖아요?」 하고 대답했습니다.

오늘도 하루 일을 할 수 있고, 즐거운 일이 있으면 더 잘,

싫은 일이 있어도 대부분 무사히 보낼 수 있었다면,

샴페인이라도 마시고, 끙끙대지 않고 잘 자면,

또 다음날이 온다.

그런 날들이 행복하다고 솔직히 생각해요.

욕망이 줄어들었기 때문에, 그것으로 나의 행복은 충분한 것입니다.

마지막으로

정말로 이런 제 이야기로 도움이 된 걸까요?

암의 괴로움은 저도 겪고 있는 만큼, 안이한 것은 말씀드릴 수 없습니다.

다만, 조금이라도 읽어주신 분께 도움이 되면 좋겠다고 생각해서 이야기했습니다.

암은 엄청날 뿐더러, 괴로워.

하지만, 암에 걸린 것으로부터 배울 수 있는 것, 얻을 수 있는 것도 있다.

그러니까, 앞을 향해 걷기를 원합니다.

스기우라 가츠아키(피코) 프로필

복식평론가 샹송가수 탤런트

문화 복장 학원 연구전문 졸업 후, 1980년 오스기 씨와 함께 《오스기와 피코》로서 TBS "쿠루메 히로시(사람 이름)의 토요일 와이드 라디오 TOKYO"에 출연해, 데뷔. 패션 저널리스트로 복식 평론은 물론 여러 분야에 활동의 장을 넓히고 있다.