骨髄異形成症候群MDS)、正確検査診断づく個別化治療

監修:東京血液疾患診療所院長 緒方清行先生

2018.9 取材・文:柄川明彦

•骨髄異形成症候群とは

•骨髄異形成症候群の症状と診断

•骨髄異形成症候群の病型分類とリスク分類

•骨髄異形成症候群の治療

•MDS治療の将来

 血液細胞は骨髄において造血幹細胞から産生されていますが、MDSではこの造血幹細胞が腫瘍化していると想定されています。腫瘍化したMDSの造血幹細胞は、細胞産生能に乏しく、末梢血では貧血や好中球減少、血小板減少が様々な程度に認められます。またMDSの造血幹細胞は形態に異常(異形成、dysplasia)があり、これがmyelodysplastic(骨髄異形成)の名前の由来です。

 軽度の血球減少であれば経過観察のみで十分です。症状を呈する強い血球減少がある場合は、骨髄の状況(芽球比率や赤芽球の残存の程度)を勘案しながら治療を選択します。骨髄異形成症候群は、患者さんによりさまざまな病態があるため、正確な検査と熟練した専門の医師の診断と個別の病態に合わせた治療が大切です。

骨髄異形成症候群とは

 骨髄異形成症候群 (myelodysplastic syndromes, MDS)の疾患概念と診断基準は1982年に確立され、今日までの約40年間に様々な知見が蓄積されてきました。

 骨髄において造血幹細胞から産生される血液細胞は、リンパ系細胞(Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞)と骨髄系細胞(赤血球、好中球、血小板)に大別されますが、MDSはこの骨髄系細胞に由来する悪性腫瘍です。骨髄系細胞の悪性腫瘍には、他に急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病などがあります。

 腫瘍化したMDSの造血幹細胞は、細胞産生能に乏しく、末梢血では貧血や好中球減少、血小板減少が様々な程度に認められます。またMDSの造血幹細胞は形態に異常(異形成、dysplasia)があります。

 このように骨髄異形成症候群(MDS)では血球が減少しますがMDS以外でも、様々な病気が血球減少を起こします。これらには、免疫の病気、腎臓病、肝臓病、慢性呼吸器疾患など書ききれない種類の病気があります。さらに、病院で処方される多くの薬(例えば高血圧の治療薬)で血球減少を起こす場合もあり、飲酒過多による血球減少も良く知られています。

 MDSはこういった血球減少を起こす原因の中の一つで、その診断には他の原因ではないことを確認する必要があり、診断が難しいことで知られています。特に芽球の増加がない場合(例えば、骨髄で芽球が5%未満)や染色体検査で異常がない場合、MDSの診断には細心の注意が必要です。

 また、約30%の症例では経過中に骨髄芽球が増加し、急性骨髄性白血病と区別のできない検査所見を示すようになります(これをMDSの白血病化と呼んでいますが、病状が急性骨髄性白血病と同じような経過をたどるわけではありません)。

 骨髄異型性症候群は、明確な発症原因がない一次性MDS (de novo MDS, primary MDS) が多数を占めます。その他には、他の悪性腫瘍に対する抗がん剤治療や放射線治療の数年後に起きる治療関連性骨髄異型性症候群(therapy-related MDS) があります。近年、様々な悪性疾患に高用量化学療法を行う機会が増加し、そういった疾患の予後が改善してきたため、治療誘発性MDSの頻度が増加しつつあります。悪性リンパ腫の治療後や、他の血液疾患の治療後や自家・臍帯血・造血幹細胞などの移植後、固形がんの治療後にも見られます。現在、全MDS症例の10%内外が治療関連性MDSとされており、さらに、再生不良性貧血の経過中、特に抗胸腺細胞グロブリンによる治療を受けた例を10年前後観察すると、かなりの例でMDSが発症するという報告もあります。

 MDSは高齢者に好発し、診断時の平均年齢は70歳前後です。MDSの発症率に関して、日本では十分な調査はなされていませんが、欧州での調査では、MDSの発症数は人口10万人あたり約3~12人/年で、70歳以上の年齢層では急激に増加し20~50人/年を超しています。米国の調査では、65歳以上の年齢層では人口10万人あたり75人/年の発症数です。高齢化が進む日本では、4人に1人が65歳以上であり、その数は3000万人を超えているので、この年齢層に上記の米国での発症頻度を適用すると、毎年22500人のMDS患者が新たに発症しており、 MDS患者の生存曲線から患者数をこの10倍と仮定すると、23万人程度となるはずです。高齢化社会では極めて重要な疾患であることがこれでわかるでしょう。

骨髄異形成症候群症状診断

 患者は、貧血、だるさ、めまい、動悸、息切れなどの症状を感じて検査を受けたり、特に自覚症状はなく健康診断で血球数の異常を指摘されて精密検査を受けて診断された場合が多いです。

 血液検査で何らかの血球の異常がみられた場合には、次に骨髄の検査が必要となりますので、この時点で専門家に依頼する場合が多いです。骨髄穿刺を行い、塗抹標本で細胞形態や芽球比率を算定し、穿刺液を用いて染色体分析を行うわけです。

 MDSの主な症状は(1) 明確な血球の形態異常(異形成)、(2) 骨髄芽球比率の増加、(3) MDSに一致する核型異常です。(2)や(3)を認める場合、MDSの診断に十分経験がある者であれば、診断は比較的容易です。しかし(1)の血球形態異常は、巨赤芽球性貧血、ウイルス感染症、薬物、アルコールによる貧血、ベンゼンや亜鉛などへの暴露などでも認められるため、検査に加え、病歴や臨床経過を良く吟味しこれらの疾患を除外することが必要です。さらにこれらの除外を行っても、正常高齢者にも若干の造血細胞の異形成があるため、判断が難しくなります。またそもそも形態の評価は客観性に乏しいため、典型的なMDSでなければ、症例経験をつんだ者でも診断に苦慮することが多いようです。

 私のもとには、大学病院や大病院の血液内科でMDSと診断された多くの方が受診されますが、その方々の診断を再検討すると、15%程度の方は誤ってMDSと診断されています。血液内科の中には移植医を標榜する医師もおり、誤った診断のまま幹細胞移植を勧めている事例も数多くみられます。こういったことは日本に限ったことではなく、国際MDS財団の創設者であるJohn M. Bennett医師によれば、米国での事情もほぼ同様である様です。

 この事態は極めて深刻です。MDSの診断で最も重要なものは、骨髄細胞の顕微鏡検査です。正確な顕微鏡検査を行うためには、適切な骨髄検体を採取すること(少量を一気に取るこつをマスターしておく必要があります)、検体をガラス板に塗抹しこれに良い染色を施すこと(塗抹後すぐに乾燥させ、適切に調整した染色液を適切な時間反応させる必要があります)、染色した塗抹標本を観察し異形成の有無などを正しく読み取ることが必要です。今までセカンドオピニオンなどで他の施設の標本を数多くみせていただきましたが、骨髄検体が十分とれていないものや、染色の不良なものなどが数多くありました。また当然ながら塗抹標本の観察眼を磨くには、良い指導者から長期間の指導を受ける必要があり、指導者の質がとても重要になります。私は上記のJohn M. Bennett医師とともに、若手血液内科医や医学生に塗抹標本の観察を指導する会を催しましたが、今後も同様な機会を設けたいと思っています。

 フローサイトメトリー (FCM)検査を御存知でしょうか。フローサイトメトリーは細胞の特性などに応じたレーザーの反応を、数値化・グラフ化する検査機器です。元々急性白血病やリンパ腫の診断に用いられてきた検査です。その機器を使用して、いくつかの研究チームがMDSの正しい診断のために研究を重ねていますが、急性白血病の診断の様に簡単にはいきません。現在のところ、私が開発したFCM解析法(Ogata-Protcol)が最も信頼性が高いとされており、既にNCCNガイドラインに採用され、WHO分類の改訂に採用する様にも国際研究グループから勧告されています。Ogata-Protcolでは、CD34という分子を持つ細胞を定量化し、骨髄液に含まれる細胞に対する比率を求めます。また、脱顆粒と呼ばれる顆粒がない好中球を識別して定量化します。これらの結果を、0点なら「骨髄異形成症候群の可能性はまずない」と考えられ、2点以上であれば「骨髄異形成症候群が非常に疑わしい」と考えられます。このスコアは「オガタ・スコア」と呼ばれ、診断の確認に有用であるとして、海外の複数のガイドラインで推奨されていますが、日本では、東京血液疾患診療所など少数の医療機関でしか行われていません。検査を御希望の方は、当方まで御連絡下さい。今後この検査が広まることで、正しく診断されることを願っています。

骨髄異形成症候群病型分類とリスク分類

 多くの骨髄異型性症候群の症例は血球減少を示します。貧血、血小板減少、白血球減少(主体は好中球減少)が、単独あるいは複数で認められますが、一方で、白血球増加を示したり、白血球分画の異常(骨髄芽球などの未熟細胞の出現や単球の増加)を示すこともありますし、また、原因不明のMCV (mean cellular volume)高値が診断のきっかけのこともあります。一部のMDS(refractory anemia with ringed sideroblastsと呼ばれる病型の方の一部)では血小板増多を示すこともあります。末梢血の好中球は、顆粒の減少や核の異形成を示すことがあります。細胞の異形成は、骨髄細胞で検討する方が分かりやすい場合が多いです。骨髄では細胞異形成に加え、骨髄芽球比率の増加をみることも多く、こういった細胞学的特徴を基に、病型分類がされています。表1にはWHO分類2008年の病型を示します。

 「RCUD」「RARS」「RCMD」「5q-症候群」「MDS-U(分類不能型)」は、いずれも骨髄中の芽球の割合が5%未満の病型です。骨髄あるいは末梢血で芽球比率が5%を超えると「RAEB-1」「RAEB-2」という病型になり、芽球が20%以上になった場合には、「急性骨髄性白血病」と区別できないと言われる状態になります。

表1 骨髄異形成症候群の病型分類

病名

末梢血所見

骨髄所見

単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症

(RCUD)

以下の病型含む

・不応性貧血(RA)

・不応性好中球減少症(RN)

・不応性血小板減少症(RT)

・1-2系統の血球減少※1

・芽球[-]またはごくわずか[1%未満]※2

・1血球系統で10%以上の細胞に異形成

・芽球5%未満

・赤芽球のうち環状鉄芽球15%未満

環状鉄芽球を伴う不応性貧血

(RARS)

・貧血

・芽球[-]

・赤芽球系の異形成のみ

・赤芽球のうち環状鉄芽球15%以上

・芽球5%未満

多血球系異形成を伴う不応性血球減少症

(RCMD)

・血球減少

・芽球[-]またはごくわずか[1%未満]※2

・アウエル小体※3なし

・単球1×109/l未満

・2血球系統以上で10%以上の細胞に異形成

・芽球5%未満

・アウエル小体※3なし

・赤芽球のうち環状鉄芽球[±]15%

芽球増加を伴う不応性貧血-1

(RAEB-1)

・血球減少

・芽球5%未満※2

・アウエル小体※3なし

・単球1×109/l未満

・1~3血球系統に異形成

・芽球5~9%

・アウエル小体※3なし

芽球増加を伴う不応性貧血-

(RAEB-2)

・血球減少

・芽球5~19%

・アウエル小体[±]※4

・単球1×109/l未満

・1~3血球系統に異形成

・芽球10~19%

・アウエル小体[±]※4

染色体異常(単独5番染色体長腕の欠失)を伴う骨髄異形成症候群:5q-(マイナス)症候群

(MDS associated with isolated del[5q])

・貧血

・通常、血小板数は正常または増加

・芽球[-]またはごくわずか[1%未満]

・低分葉核を持つ巨核球が正常または増加

・芽球5%未満

・del[5q](5番染色体長腕の欠失)単独の染色体異常がみられる

・アウエル小体※3なし

※1:時に2系統の血球減少が認められる。汎血球減少(3系統の血球減少)の際はMDS-Uに分類

※2:骨髄中の芽球が5%未満であり末梢血の芽球が2~4%の場合は、RAEB-1に分類

   末梢血の芽球が1%のRCUDとRCMDは、MDS-Uに分類

※3:アウエル小体:正常な骨髄系白血球に存在する複数の顆粒が融合して桿(さお)状に変形したもので、骨髄性芽球を特徴づけ悪性度が高いことが多い

※4:末梢血中のアウエル小体が5%未満、骨髄中の芽球が10%未満でアウエル小体を認める場合は、RAEB-2に分類

WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues., 2008; 88-93, IARC.より作成

 MDSの予後を左右するものは、多くの場合、正常細胞の減少です。通常、ヘモグロビン9 g/dL、好中球1000/mm 3、血小板2万/mm 3を超えている場合は、問題となる症状を起こすことは少ないのですが、ヘモグロビン6~7 g/dl程度になると輸血を要することが多くなります。好中球数は、500/mm 3以下では感染症のリスクが高まり、100/mm3以下が続くと感染はほぼ必発で、しばしば重症化します。血小板1万/mm 3以下では出血の症状が出ることが多く、強い症状であれば血小板輸血を要する場合もあります。芽球が増えた場合は血球減少がいっそう強くなるので、症状が強くなりますし、芽球の組織への浸潤により様々な症状を呈し、これが致命的になることも多いです。

 血球減少の程度、骨髄の芽球比率、核型(染色体分析結果)などを総合して、予後予測を行います。核型を用いるのは、核型と芽球の増加との間に関連があるためです。最も多用されてきたリスク分類法を表2、表3に示します。

表2 IPSS-R予後因子スコア

予後因子の配点

0

0.5

1

1.5

2

3

4

核型

Very

Good

-

Good

-

Intermediate

Poor

Very

poor

骨髄芽球比率

≦2

-

>2~

<5

-

5~10

>10

-

Hb

(g/dl)

≧10

-

8以上

10未満

<8

-

-

-

血小板

(×103/μL)

≧100

50~

<100

<50

-

-

-

-

好中球数

(×103/μL)

≧0.8

<0.8

-

-

-

-

-

造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版より

表3 IPSS-Rによる予後層別化

リスク群

点数

Very low

≦1.5

Low

>1.5~3

Intermediate

>3~4.5

High

>4.5~6

Very high

>6

造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版より

骨髄異形成症候群治療

血球減少に対する治療

 軽度の血球減少であれば経過観察のみで十分です。症状を呈する強い血球減少がある場合は、骨髄の状況(芽球比率や赤芽球の残存の程度)を勘案しながら治療を選択します。

 貧血が強い場合は、運動能力が低下し、軽い動作で息切れなどが出やすく、また転倒のリスクも上昇します。血小板減少が強い患者が転倒すると、出血を起こしやすいので、特に頭部打撲には注意が必要です。MDSの貧血は骨髄での造血機能が低下することで起きています。赤血球産生の材料である鉄などは体内に十分あるにもかかわらず、骨髄での造血ができない状態であり、従って鉄などの補充は無効であるばかりか、有害であることの方が多いのです。鉄欠乏性貧血などで用いる、いわゆる貧血食は供しません。

 骨髄芽球の少ない例では、アンドロジェンやシクロスポリンが奏効することがありますが、シクロスポリンは保険適用外です。

 染色体検査で5q-(5番染色体長腕の部分欠損)を持ち、かつ他の染色体に異常がなく、IPSS予後スコア(表2)が低く、輸血依存性がある例では、レナリドマイド(製品名:レブラミド)が効果がある場合もありますが、日本人で5q-の染色体異常のみが単独で存在することは極めて稀です。

 こういった治療を行いながら、貧血症状の強い例には適時輸血を行います。かつては、輸血を重ねると鉄分が蓄積しヘモクロマトーシスとなり、臓器障害を起こすことが問題でした。現在では、経口鉄キレート剤であるデフェラシロクスが使用可能であり、臓器障害の回避が可能となっています。長期に渡り輸血を繰り返す場合、フェリチン値などを参考にしながらデフェラシロクスの使用を考慮します。

 また輸血が頻回になっている場合、エリスロポエチン製剤による治療を行う場合もあります。エリスロポエチンは造血作用を持つサイトカインです。かつては骨髄異形成症候群の治療の中心は輸血でしたが、エリスロポエチン製剤が使用できるようになって、輸血から解放されるケースもあります。血中のエリスロポエチン濃度が十分にあっても効果がある場合もあるので、試してみる価値はある治療です。

 好中球減少で起きる感染は、細菌、真菌によるものです。特に好中球数200/mm3以下では起きやすくなります。感染予防のための口腔ケアは重要で、血小板が少なく出血しやすい場合は、柔らかいハブラシや綿棒など、出血を助長しない口腔ケアを指導します。肛門部も常に清潔にしておくことが重要です。シャワーなどに制限はなく、むしろ清潔を保つために行った方が良いです。また、動物との過度な接触(キスをしたり)、土いじりなど土やほこりを吸い込む危険がある行為は避けた方が無難です。

 血小板減少による出血症状は、軽い場合は皮膚の点状出血ですが、皮膚の出血症状が広範になったり、粘膜出血が顕著になった(口腔粘膜の強い出血症状や下血など)場合は、多くの場合、血小板輸血などの対処が必要です。また、心筋梗塞の既往などで抗凝固剤を服用している患者さんは、血小板が一定のレベルを下回った場合は、抗凝固剤を中止した方が良いです。通常は血小板2万~5万以下を中止基準にしています。

骨髄異形成症候群する同種造血幹細胞移植

 かつては同種造血幹細胞移植が、MDSの治癒をもたらす唯一の治療と考えられ、可能な限りこれを施行していた施設も多かったです。しかしながら、2004年の米国血液学会雑誌に、比較的若年者であってもMDS患者に早期に移植を行うと、移植関連死などによって、移植を行わない例に比べ予後が悪いことが報告されました。その報告で用いられたデータの多くは、造血幹細胞移植の発祥の地で、全米1の移植センターとも言われるFred Hutchinsonがんセンターのデータです。加えて最も成績が良いとされる比較的若い兄弟姉妹間の移植データであったため、関係者に与えた衝撃は大きいものでした。

 その後も2012年に出されたMD Anderson がんセンターの論文でも脱メチル化剤(アザシチジンなど)と幹細胞移植の生存期間に対する効果は同等であり、「芽球の多いMDS (RAEB、RAEB-t)に対する造血幹細胞移植と輸血主体の治療の比較」と題された欧州多施設共同研究結果(2013年)によっても造血幹細胞移植と輸血主体の治療の生存予後はほとんど変わりませんでした。つまり、骨髄移植がその他の治療より生存予後を延長するという結果は得られなかったのです。

芽球が多い場合、血球減少が進行した場合の治療

 芽球が多い場合には、アザシチジン(製品名:ビダーザ)による治療が中心となり、約40%程度で奏効します。通常の抗がん剤に比べ格段に副作用が少なく、アザシチジンの出現によってMDSの治療は劇的に変化しました。

 効果がある場合は、芽球が減少し、血球が増加します。高リスクの患者さんを対象とした海外の臨床試験では、輸血などの支持療法や抗がん剤を使用した通常治療と、アザシチジン治療との、生存期間、生存率を比較した結果、通常治療の生存期間中央値が15.0か月だったのに比べ、アザシチジン治療では24.5か月に伸びたことが確認されました。また、2年後の生存率もアザシチジン治療群は50.8%であり、通常治療群よりも約2倍高いという結果でした。

 アザシチジンによる治療は、ほとんど症状のない早期に開始してもメリットはあまりありません。病気が進行し、症状が現れてから開始することが勧められています。

 投与は28日間を1サイクルとして、最初の1週間は1日1回、皮下注射または点滴静注で投与します。その後3週間は休薬。29日目から2サイクル目がはじまり、1週間投薬、3週間休薬を繰り返します。効果が現れるまでには、4~6サイクル(約半年程度)かかります。その後、効果がある間は投与を継続します。中には長年にわたり発症前とほとんど変わらぬQOLを保てる方もいます。

 注意すべき副作用としては、骨髄抑制があります。白血球や血小板、赤血球などの血液細胞が減少し、身体を細菌やウイルスから守る防御機能が低下するため、感染症にかかりやすくなり、発熱などを起こします。出血もしやすくなります。あらかじめ医師や薬剤師から説明を聞き、疑わしい症状が出た場合は、速やかに医師の診察を受けることが大切です。

 また、芽球増加のないMDSでも、治療不応の強い血球減少がある場合にアザシチジンが使用されることがあります。

 またアザシチジンに続く治療薬がないため、副作用のために使用できない人やアザシチジンの効果がない人、効果があったけれども効果がなくなって来た人などは治療が大変難しくなっています。

 そのような場合でも、アザシチジンを他の薬と組み合わせることで再度効果がでる場合もありますが、そのような治療は一般の治療機関では受けることは出来ません。

MDS治療将来

 現在、内外を問わず、新薬の開発は多くの製薬会社によって進められており、第3相試験まで進んでいる薬品もあります。また、白血病に使用されている薬品の適用拡大の試験を行っているものもあります。今後も治療は難しいとは思いますが、新しい薬品の登場により、MDS治療は様変わりしていくことでしょう。私たちもMDSに効果のある薬品を今後とも発掘していき、さらに治療を進化させ、完治を目指して努力していくつもりです。

 骨髄異形成症候群は、病型やリスク分類が同じであっても、それぞれの患者さんによって、現れる症状や病気の進行などには大きな違いがあります。100人の骨髄異形成症候群の患者さんがいれば、100通りの治療が必要であるといえます。

プロフィール

緒方清行(おがたきよゆき)

1981年 日本医科大学医学部卒業

1981年 日本医科大学付属病院第三内科入局

1992年 日本医科大学第三内科講師

1999年 日本医科大学第三内科助教授

2006年 日本医科大学血液内科学教授

2013年 (社)東京血液疾患研究所所長 新百合ヶ丘総合病院血液内科部長

2016年 東京血液疾患診療所院長

골수이형성증후군(MDS), 정확한 검사와 진단에 입각한 개별화 치료

감수 : 도쿄혈액질환진료소 원장 오가타 기요유키 선생

2018.9 취재·분: 가라카와 아키히코

요약 :

. 골수이형성 증후군은

. 골수이형성 증후군의 증상과 진단

. 골수이형성 증후군의 병형분류와 리스크분류

. 골수이형성 증후군 치료

. MDS 치료의 장래

 혈액세포는 골수에 있어서 조혈모세포로부터 생성되고 있습니다만, MDS에서는 이 조혈모세포가 종양화 되어 있다고 상정하고 있습니다. "종양화 된 MDS의 조혈모세포는 세포 생성능력이 부족하며, 말초 혈에서는 빈혈, 호중구 감소, 혈소판감소가 다양한 정도로 나타납니다. 또한 MDS의 조혈줄기세포는 형태에 이상(이형성, dysplasia)이 있으며, 이것이 myelodysplastic(골수 이형성)이라는 이름의 유래입니다"

 경도(가벼운)의 혈구 감소라면 경과관찰만으로 충분합니다. 증세를 보이는 강한 혈구 감소가 있는 경우는, 골수의 상황(아구 비율이나 적아구의 잔존의 정도)을 감안하면서 치료를 선택합니다. 골수이형성 증후군은, 환자에 의해 다양한 병태가 있기 때문에, 정확한 검사와 숙련된 전문 의사의 진단과 개별의 병세에 맞춘 치료가 중요합니다.

골수 이형성 증후군이란?

 골수 이형성 증후군(myelodysplastic syndromes, MDS)의 질환개념과 진단기준은 1982년에 확립되어 오늘날까지 약 40년간 다양한 지식이 축적되어 왔습니다.

 골수에서 조혈줄기세포에서 생성되는 혈액세포는 림프계 세포(T림프구, B림프구, NK세포)와 골수계 세포(적혈구, 호중구, 혈소판)로 크게 나뉘는데 MDS는 이 골수계 세포에서 유래하는 악성 종양입니다. 골수계 세포의 악성 종양에는, 그 밖에 급성 골수성 백혈병, 만성 골수성 백혈병 등이 있습니다.

 종양화한 MDS의 조혈줄기세포는 세포생성 능력이 부족하며, 말초 혈에서는 빈혈이나 호중구 감소, 혈소판 감소가 여러 가지로 확인됩니다. 또한 MDS의 조혈줄기세포는 형태에 이상(이형성, dysplasia)이 있습니다.

 이와 같이 골수 이형성 증후군(MDS)에서는 혈구가 감소합니다만 MDS 이외에서도, 여러 가지 병이 혈구 감소를 일으켜요 .면역질환, 신장병, 간병, 만성호흡기질환 등 다 쓸 수 없는 질병이 있습니다. 게다가 병원에서 처방되는 많은 약(예를 들면 고혈압 치료약)으로 혈구 감소를 일으키는 경우도 있고, 음주 과다로 인한 혈구 감소도 잘 알려져 있습니다.

 MDS는 이러한 혈구 감소를 일으키는 원인 중 하나로, 그 진단에는 다른 원인이 아닌 것을 확인할 필요가 있어, 진단이 어려운 것으로 알려져 있습니다. 특히 아구의 증가가 없는 경우(예를 들어, 골수로 아구가 5% 미만)나 염색체 검사에서 이상이 없는 경우, MDS의 진단에는 세심한 주의가 필요합니다.

 또, 약 30%의 증례에서는 경과 중에 골수 아구가 증가해 급성 골수성 백혈병과 구별이 되지 않는 검사 소견을 나타내게 됩니다(이를 MDS의 백혈병화라고 부르고 있습니다만, 병상이 급성 골수성 백혈병과 같은 경과를 걷는 것은 아닙니다).

골수 이형성 증후군은, 명확한 발병 원인이 없는 1차성 MDS(de novo MDS, primary MDS)가 다수를 차지합니다. 그 외에는 다른 악성 종양에 대한 항암제 치료나 방사선 치료의 수년 후에 일어나는 치료 관련성 골수 이형성 증후군(therapy-related MDS)이 있습니다. 최근 각종 악성 질환에 고용량 화학요법을 실시할 기회가 증가하면서 이러한 질환의 예후가 개선되어 왔기 때문에 치료 유발성 MDS의 빈도가 증가하고 있습니다. 악성 림프종 치료 후나 다른 혈액질환 치료 후나 자가, 제대혈, 조혈줄기세포 등을 이식한 후 고형 암을 치료한 후에도 볼 수 있습니다. 현재 전 MDS증례의 10% 내외가 치료 관련성 MDS로 되어 있으며, 재생 불량성 빈혈의 경과 중 특히 항흉선 세포글로불린에 의한 치료를 받은 사례를 10년 전후 관찰하면 상당한 예가 MDS가 발병한다는 보고도 있습니다.

 MDS는 고령자에게 잘 발병하여, 진단 시의 평균 연령은 70세 전후입니다. MDS의 발병률에 관해서, 일본에서는 충분한 조사는 이루어지지 않고 있습니다만, 유럽에서의 조사에서는, MDS의 발병 수는 인구 10만 명 당 약 312명/년으로, 70세 이상의 연령층에서는 급격하게 증가해 2050명/년을 넘고 있습니다. 미국의 조사에서는, 65세 이상의 연령층에서는 인구 10만 명 당 75명/년의 발병수입니다. 고령화가 진행되는 일본에서는, 4명에게 1명이 65세 이상이며, 그 수는 3000만 명을 넘고 있으므로, 이 연령층에 상기의 미국에서의 발병 빈도를 적용하면, 매년 2200명의 MDS 환자가 새롭게 발병하고 있어, MDS 환자의 생존 곡선으로부터 환자수를 이 10배라고 가정하면, 23만 명 정도가 될 것입니다. 고령화 사회에서는 매우 중요한 질환이라는 것이 이것으로 알 수 있을 것입니다.

골수 이형성 증후군 증상과 진단

 환자는 빈혈, 나른함, 어지럼증, 가슴 두근거림 등의 증상을 느끼며 검사를 받거나 특히 자각증상은 없으며 건강검진에서 혈구수의 이상을 지적받아 정밀검사를 받아 진단받은 경우가 많습니다.

 혈액검사에서 모종의 혈구의 이상이 발견되었을 경우에는 다음 골수검사가 필요하므로 이 시점에서 전문가에게 의뢰하는 경우가 많습니다. 골수천자를 하고, 도말 표본으로 세포 형태나 아구의 비율을 산정해, 천자액을 이용해 염색체 분석을 실시하는 것입니다.

 MDS의 주된 증상은 (1) 명확한 혈구의 형태 이상(이형성), (2) 골수 아구 비율의 증가, (3) MDS에 일치하는 핵형 이상입니다. (2)나 (3)을 인정하는 경우, MDS의 진단에 충분히 경험이 있는 사람이라면 진단은 비교적 용이합니다. 그러나 (1)의 혈구형태 이상은 거대 적赤아구성 빈혈, 바이러스 감염증, 약물, 알코올에 의한 빈혈, 벤젠이나 아연 등의 폭로 등에서도 인정되므로 검사에 더해 병력과 임상경과를 잘 음미하여 이들 질환을 제거해야 합니다. 게다가 이러한 제외를 해도, 정상 고령자에도 약간의 조혈세포의 이형성이 있기 때문에, 판단이 어려워집니다. 또 원래 형태의 평가는 객관성이 없기 때문에, 전형적인 MDS가 아니면, 증례 경험을 가진 사람이라도 진단에 고심하는 경우가 많은 듯합니다.

 저의 병원에는, 대학 병원이나 큰 병원의 혈액내과에서 MDS라고 진단 받은 많은 분이 진찰 받습니다만, 그 분들의 진단을 재검토하면, 15%정도의 사람은 MDS라고 잘못 진단되었습니다. 혈액내과 중에는 이식 전문의를 표방하는 의사도 있고, 잘못된 진단대로 줄기세포이식을 권유하는 사례도 많습니다. 이런 것은 일본에만 한정된 것이 아니고, 국제 MDS 재단의 창설자인 John M. Bennett 의사에 의하면, 미국에서의 사정도 거의 비슷한 것입니다.

 이 사태는 아주 심각합니다. MDS의 진단에서 가장 중요한 것은 골수세포의 현미경 검사입니다. 정확한 현미경 검사를 위해서는 적절한 골수 검체를 채취할 것(소량을 한 번에 제거할 필요가 있습니다), 검체를 유리판에 도말하여 이에 좋은 염색법(도말 후 바로 건조시키고 적절히 조정한 염색액을 적절한 시간 반응시킬 필요가 있습니다), 염색한 도말 표본을 관찰하여 이형성 여부 등을 바르게 읽어내는 것이 필요합니다. 지금까지 세컨드 오피니언 등으로 다른 시설의 표본을 많이 보여 주셨는데, 골수 검체가 충분하지 않은 것과 염색 불량품 등이 많이 있었습니다. 또 당연하지만 도말 표본의 관찰하는 기술을 익히려면, 좋은 지도자로부터 장기간의 지도를 받을 필요가 있어, 지도자의 질이 매우 중요하게 됩니다. 저는 위의 John M. Bennett 의사와 함께 젊은 혈액내과 의사나 의학생에게 도말표본 관찰을 지도하는 모임을 가졌습니다만, 앞으로도 같은 기회를 가질 생각입니다.

 플로사이트 메트리(FCM) 검사를 아시나요? 플로사이트 메트리는 세포의 특성 등에 따른 레이저 반응을 수치화· 그래프 화하는 검사기기입니다. 원래 급성백혈병이나 림프종의 진단에 이용되어 온 검사입니다. 그 기기를 사용해, 몇 개의 연구팀이 MDS의 올바른 진단을 위해서 연구를 거듭하고 있습니다만, 급성 백혈병의 진단처럼 간단하게는 되지 않습니다. 현재로서는, 제가 개발한 FCM 해석법(Ogata-Protcol)이 가장 신뢰성이 높다고 여겨지고 있어 이미 NCCN 가이드라인에 채용되어 WHO 분류의 개정에 채용하는 것처럼도 국제 연구 그룹으로부터 권고되고 있습니다. Ogata-Protcol에서는, CD34라고 하는 분자를 가지는 세포를 정량화해, 골수 액에 포함되는 세포에 대한 비율을 요구합니다. 또 탈 과립이라고 불리는 과립이 없는 호중구를 식별해 정량화 합니다. 이러한 결과를, 0점이라면 "골수 이형성 증후군의 가능성은 일단 없다"라고 생각할 수 있고, 2점 이상이면 "골수 이형성 증후군이 매우 의심스럽다"라고 생각할 수 있습니다. 이 스코어는 "오가타스코어"라고 불리며, 진단의 확인에 유용하다고 해서, 해외의 복수의 가이드라인으로 추천되고 있습니다만, 일본에서는, 도쿄 혈액질환 진료소 등 소수의 의료 기관에서 밖에 행해지고 있지 않습니다. 검사를 원하시는 분은, 저희까지 연락해 주십시오. 향후 이 검사가 확대됨으로써, 올바르게 진단되길 바라고 있습니다.

골수 이형성 증후군의 병형病型 분류와 리스크 분류

 많은 골수 이형성 증후군의 증례는 혈구 감소를 나타냅니다. 빈혈, 혈소판 감소, 백혈구 감소(주체는 호중구 감소)가 단독 또는 복수로 인정되지만 한편으로 백혈구 증가를 나타내거나 백혈구 분화의 이상(골수 아구 등 미숙 세포의 출현이나 단구의 증가)을 나타내는 경우도 있고 또한 원인불명의 MCV(mean cellular volume) 수치가 높아서 진단의 계기가 되기도 합니다. 일부 MDS(refractory anemia with ringed sideroblasts라 불리는 병형의 일부)에서는 혈소판의 다량 증가를 가리키기도 합니다. 말초혈의 호중구는 과립의 감소나 핵 이형성을 나타내는 경우가 있습니다. 세포의 다른 형성은 골수세포에서 검토하는 쪽이 알기 쉬운 경우가 많습니다. 골수에서는 세포 이형성에 가세해 골수 아구 비율의 증가를 보는 경우도 많아, 이러한 세포학적 특징을 기본으로, 병형 분류가 되고 있습니다. 표1에는 WHO 분류 2008년의 병형을 나타내고 있습니다.

 "RCUD" "RARS" "RCMD" "5q-증후군" "MDS-U(분류 불능형)"는, 모두 골수중의 아구의 비율이 5%미만의 병형입니다. 골수 혹은 말초혈로 아구 비율이 5%를 넘으면 "RAEB-1" "RAEB-2"라는 병형이 되고, 아구가 20%이상이 되었을 경우에는, "급성 골수성 백혈병"과 구별할 수 없다고 하는 상태가 됩니다.

표1 : 골수 이형성 증후군의 병형 분류

병명

말초혈 소견

골수 소견

단일 혈구 계통의 이형성을 동반한 불응성 혈구 감소증

(RCUD)

이하의 병형도 포함

・불응성 빈혈(RA)

・불응성 호중구 감소증(RN)

・불응성 혈소판 감소증(RT)

・1-2계통의 혈구감소※1

・아구[-]또는아주 미량[1%미만]※2

・1혈구계통으로10%이상의 세포에 이형성

・아구 5% 미만

・붉은 아구 중 환상철 아구15%미만

환상철아구를 동반하는 불응성 빈혈

(RARS)

・빈혈

・아구[-]

・적아구계 이형성 만

・적아구 중 환상철아구15%이상

・아구5%미만

다혈구계 이형성을 동반한 불응성 혈구 감소증

(RCMD)

・혈구감소

・아구[-]또는극미량[1%미만]※2

・아우엘 소체※3なし

・단구1×109/l미만

・2혈구계통이상에10%이상의 세포에 이형성

・단구5%미만

・아우엘소체※3없음

・적아구 중 환상철아구[±]15%

아구 증가를 수반하는 불응성 빈혈-1

(RAEB-1)

・혈구감소

・아구5%미만※2

・アウエル小体※3なし

・単球1×109/l未満

・1~3아구 증가를 수반하는 불응성 빈혈

・아구5~9%

・아우엘소체※3없음

아구 증가를 수반하는 불응성 빈혈-

(RAEB-2)

・혈구감소

・아구5~19%

・아우엘소체[±]※4

・단구1×109/l미만

・1~3아구 증가를 수반하는 불응성 빈혈

・아구10~19%

・아우엘소체[±]※4

염색체이상(단독5번염색체장완의결실)을 수반하는골수이형성증후군:5q-(マイナス)증후군

(MDS associated with isolated del[5q])

・빈혈

・통상, 혈소판 수는 정상 또는 증가

・아구[-]또는 극히 미량[1%미만]

・저분엽핵을 가진 거핵구가 정상 또는 증가

・아구5%미만

・del[5q](5염색체장완의결실)단독의 염색체 이상이 보임

・아우엘소체※3없음

※1:때로 2계통의 혈구감소가 보인다. 범 혈구감소 (3계통의 혈구감소)의 경우는 MDS-U로 분류.

※2:골수 중 아구芽球 (아 세포)가 5%미만이고 말초혈 아구가 2~4%의 경우는、RAEB-1로 분류 말초혈 아구가1%의 RCUD와RCMD는、MDS-U로 분류

※3:아우엘 소체:정상적인 골수계 백혈구에 존재하는 복수의 과립이 융합하여 대竿 모양으로 변형된 것으로 골수성 아구가 특징이면 악성도가 높을 수가 많다.

※4:말초혈 중 아우엘 소체가 5%미만이고 골수 중의 아구가 10%미만으로 아우엘 소체가 보이는 경우는, RAEB-2로 분류

WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues., 2008; 88-93, IARC.에서 작성

골수 이형성 증후군(MDS)의 예후를 좌우하는 것은, 대개의 경우, 정상 세포의 감소입니다. 보통 헤모글로빈 9 g/dL, 호중구 1000/mm 3, 혈소판 2만/mm3을 넘고 있는 경우는, 문제가 되는 증상을 일으키는 수는 적지만, 헤모글로빈 6-7 g/dl 정도가 되면 수혈을 필요로 하는 수가 많아집니다. 호중구 수는, 500/mm 3 이하에서는 감염증의 위험이 높아져, 100/mm 3 이하가 계속 되면 감염은 거의 필발로, 자주 중증화됩니다. 혈소판 1만/mm 3 이하에서는 출혈의 증상이 많이 나와, 심한 증상이면 혈소판 수혈을 필요로 하는 경우도 있습니다. "아구가 많아질 경우 혈구 감소가 더욱 심해지므로, 증상이 심해지고, 아구의 조직에 침투하여 여러 가지 증상을 보이며, 이것이 치명적일 수도 있습니다."

 혈구 감소 정도, 골수의 아구 비율, 핵형(염색체 분석 결과) 등을 종합해, 예후 예측을 실시합니다. 핵형을 이용하는 것은, 핵형과 아구의 증가와의 사이에 관련이 있기 때문입니다. 가장 많이 사용된 위험도 분류법을 표 2, 표 3에 나타냅니다.

표2 IPSS-R 예후인자 점수

예후인자의

배점

0

0.5

1

1.5

2

3

4

핵형

Very

Good

-

Good

-

Intermediate

Poor

Very

poor

골수아구비율

≦2

-

>2~

<5

-

5~10

>10

-

Hb

(g/dl)

≧10

-

8이상

10미만

<8

-

-

-

혈소판

(×103/μL)

≧100

50~

<100

<50

-

-

-

-

호중구 수

(×103/μL)

≧0.8

<0.8

-

-

-

-

-

조혈기 종양 진료 가이드라인 2018년 판에서

표3 IPSS-R에 의한 예후 층별화

리스크 군

점수

Very low

≦1.5

Low

>1.5~3

Intermediate

>3~4.5

High

>4.5~6

Very high

>6

조혈기 종양 진료 가이드라인 2018년 판에서

골수 이형성 증후군의 치료

혈구 감소에 대한 치료

 가벼운(경도의) 혈구 감소라면 경과 관찰만으로도 충분합니다. 증세를 보이는 심한 혈구 감소가 있는 경우는, 골수의 상황(아구 비율이나 적아구의 잔존의 정도)을 감안하면서 치료를 선택합니다.

 빈혈이 심한 경우는, 운동 능력이 저하되어, 가벼운 동작에도 숨이 차기 쉽고, 또 넘어질 위험도 상승합니다. 혈소판 감소가 심한 환자가 넘어지면, 출혈을 일으키기 쉬우므로, 특히 두부 타박에 주의가 필요합니다. MDS의 빈혈은 골수에서의 조혈기능이 저하되어 일어나고 있습니다. 적혈구 생성의 재료인 철분은 몸 안에 충분한데도 불구하고 골수 조혈을 할 수 없는 상태이며, 따라서 철을 통한 보충은 무효할 뿐 아니라 유해한 경우가 많습니다. 철분 결핍성 빈혈 등에 사용하는 이른바 빈혈용 식사는 제공하지 않습니다.

 골수 아구가 적은 사례에서는, 안드로젠이나 사이클로스포린이 주효하는 일이 있습니다만, 사이클로스포린은 보험 적용 외입니다.

 염색체 검사로 5q (5번 염색체 장완의 부분 결손)을 가지고 있는 한편 다른 염색체에 이상이 없고 IPSS 예후 점수(표 2)가 낮고 수혈 의존성이 있는 사례에서는 레날리도미드(제품명 : 레블리미드)가 효과가 있는 경우도 있습니다만, 일본인으로 5q의 염색체 이상만이 단독으로 존재하는 것은 지극히 드뭅니다.

 이러한 치료를 실시하면서, 빈혈 증상이 심한 예에는 적시 수혈을 실시합니다. 이전에는 수혈을 거듭하면 철분이 축적되어 혈색소 침착증(hemochromatosis)이 되면, 장기 장애를 일으키는 것이 문제였습니다. 현재는, 경구 철 키레이트제(chelate compound)인 디페라시로크스가 사용 가능해, 장기 장애의 회피가 가능해지고 있습니다. 장기간에 걸쳐 수혈을 반복하는 경우 페리틴 값 등을 참고하면서 디페라시로쿠스의 사용을 고려합니다.

 또 수혈을 빈번히 하고 있는 경우, 에리트로포에틴 제제에 의한 치료를 실시하는 경우도 있습니다. 에리트로포이에틴은 조혈작용을 하는 사이토 카인입니다. 이전에는 골수 이형성 증후군 치료의 중심은 수혈이었지만 에리트로포이에틴 제제를 사용할 수 있게 되어 수혈에서 해방되는 경우도 있습니다. 혈중 에리트로포이에틴의 농도가 충분해도 효과가 있는 경우도 있으므로 시험해 볼만한 치료입니다.

 호중구 감소로 생기는 감염은 세균, 진균에 의한 것입니다. 특히 호중구 수 200/mm3이하에서는 일어나기 쉬워집니다. 감염 예방을 위한 구강 케어는 중요하며 혈소판이 적고 출혈이 쉬운 경우는 부드러운 칫솔이나 면봉 등 출혈을 조장하지 않는 구강 케어를 지도합니다. 항문부도 항상 청결하게 해 두는 것이 중요합니다. 샤워 등 제한은 없고, 오히려 청결을 유지하기 위해서 하는 것이 좋습니다. 또한 동물과의 과도한 접촉(키스를 하거나), 흙더미 등 흙이나 먼지를 빨아들일 위험이 있는 행위는 피하는 것이 무난합니다.

 혈소판 감소로 인한 출혈 증상은 경미한 경우 피부점상출혈이지만 피부출혈증세가 광범위해지거나 점막출혈이 두드러진(구강점막이 강한 출혈증상과 하혈 등)경우에는 혈소판수혈 등의 대처가 필요합니다. 또 심근경색의 이력 등으로 항응고제를 복용하고 있는 환자는, 혈소판이 일정한 수치를 밑돌았을 경우는, 항응고제를 중지하는 것이 좋습니다. 통상은 혈소판 2만~5만 이하를 중지 기준으로 하고 있습니다.

골수 이형성 증후군에 대한 동종 조혈모(줄기)세포 이식

 이전에는 동종 조혈줄기세포 이식이, MDS의 치유를 하는 유일한 치료로 생각되어 가능한 한 이것을 시행했던 시설도 많았습니다. 그러나 2004년의 미국 혈액 학회 잡지에, 비교적 젊은 사람이어도 MDS 환자에게 조기에 이식을 실시하면, 이식 관련사 등 때문에, 이식을 실시하지 않는 예에 비해 예후가 나쁜 것이 보고되었습니다. 그 보고에서 사용된 데이터의 상당수는, 조혈줄기세포 이식의 발상지이며, 미국 제일의 이식 센터라고도 불리는 Fred Hutchinson 암 센터의 데이터입니다. 게다가 가장 성적이 좋다고 하는 비교적 젊은 형제 자매간의 이식 데이터였기 때문에, 관계자에게 준 충격은 컸습니다.

 그 후도 2012년에 나온 MD Anderson 암 센터의 논문에서도 탈 메틸화제(아자시티딘 등)와 줄기세포이식의 생존기간에 대한 효과는 동등하며, "아구가 많은 MDS(RAEB, RAEB-t)에 대한 조혈줄기세포 이식과 수혈주체의 치료 비교"라는 제목의 유럽 다 시설 공동연구결과(2013년)에 의해서도 조혈줄기(모)세포이식과 수혈주체의 치료의 생존 예후 즉 골수 이식이 기타 치료보다 생존예후를 연장한다는 결과를 얻지는 못했습니다.

아구가 많은 경우, 혈구 감소가 진행된 경우의 치료

 아구가 많은 경우에는, 아자시티딘(제품명 : 비다자)에 의한 치료가 중심이 되어, 약 40% 정도로 주효합니다. 통상적인 항암제에 비해 현격히 부작용이 적고, 아자시티딘의 출현에 의해서 MDS의 치료는 극적으로 변화했습니다.

 효과가 있는 경우는, 아구가 감소하고, 혈구가 증가합니다. 고위험 환자들을 대상으로 한 해외 임상시험에서는 수혈 등 지지요법이나 항암제를 이용한 통상치료와 아자시티딘 치료의 생존기간과 생존율을 비교한 결과 통상 치료의 생존기간 중앙치가 15.0개월이었던 데 비해 아자시티딘 치료에서는 24.5개월로 증가한 것으로 확인되었습니다. 또 2년 뒤 생존율도 아자시티딘 치료군은 50.8%로 통상 치료군보다 2배가량 높은 것으로 나타났습니다.

 아자시티딘에 의한 치료는, 거의 증상이 없는 조기에 개시해도 이점은 별로 없습니다. 병이 진행되어 증상이 나타나면 시작해야 합니다.

 투여는 28일간을 1 사이클로서 최초의 1주간은 1일 1회, 피하 주사 또는 링거 정맥주사로 투여합니다. 이후 3주는 휴약. 29일째부터 2사이클 째가 시작되어, 1주간 투약, 3주간 휴약을 반복합니다. 효과가 나타나기까지는 4~6사이클(약 반년 정도) 걸립니다. 그 후, 효과가 있는 동안은 투여를 계속합니다. 그 동안에는 오랜 세월에 걸쳐 발병 전과 거의 변함없는 삶의 질(QOL)을 유지하는 분도 있습니다.

 주의해야 할 부작용으로서는, 골수억제가 있습니다. 백혈구나 혈소판, 적혈구등의 혈액 세포가 감소해, 신체를 세균이나 바이러스로부터 지키는 방어 기능이 저하하기 때문에, 감염증에 걸리기 쉬워져, 발열 등을 일으키게 합니다. 출혈도 쉽게 됩니다. 미리 의사나 약제사로부터 설명을 듣고, 의심 증상이 나온 경우는, 신속하게 의사의 진찰을 받는 것이 중요합니다.

 또, 아구 증가가 없는 MDS에서도, 치료 불응이 심한 혈구 감소가 있는 경우에 아자시티딘이 사용되는 일이 있습니다.

 또한 아자시티딘에 이은 치료약이 없기 때문에 부작용 때문에 사용할 수 없는 사람이나 아자시티딘의 효과가 없는 사람, 효과가 있었지만 효과가 없어진 사람 등은 치료가 매우 어려워지고 있습니다.

 그런 경우라도 아자시티딘을 다른 약과 조합해 다시 효과를 내는 경우도 있지만 그런 치료는 일반 치료기관에서는 받을 수 없습니다.

골수 이형성 증후군(MDS) 치료의 장래

 "현재 내외를 막론하고 신약 개발은 많은 제약회사에 의해 진행되고 있으며, 제3상 시험까지 진행되는 약품도 있습니다. 또 백혈병에 사용되고 있는 약품의 적용 확대의 시험을 실시하고 있는 경우도 있습니다. 향후에도 치료는 어렵다고 생각합니다만, 새로운 약품의 등장에 의해, MDS 치료는 완전히 바뀌게 될 것입니다. 우리도 MDS에 효과가 있는 약품을 앞으로도 발굴해 나가며, 더욱 치료를 진화시켜, 완치를 목표로 노력해 갈 것입니다.

 골수 이형성 증후군은, 병형이나 위험 분류가 같더라도, 각각의 환자에 의해서, 나타나는 증상이나 병의 진행 등에는 큰 차이가 있습니다. 100명의 골수 이형성 증후군 환자들이 있다면 100가지의 치료가 필요하다고 할 수 있습니다.

프로필

오가타 키요유키

1981년 일본 의대 졸업

1981년 일본 의과대학 부속 병원 제3내과 입국

1992년 일본 의과대학 제3내과 강사

1999년 일본 의과대학 제3내과 조교수

2006년 일본 의대 혈액내과 교수

2013년 (사)도쿄 혈액질환연구소 소장 신유리가오카 종합병원 혈액내과 부장

2016년 도쿄 혈액질환진료소 원장

저작권자 © 암스쿨 무단전재 및 재배포 금지