多発性骨髄腫(MM)の正確な診断と予後予測に基づく

治療

監修:日本赤十字社医療センター血液内科部長 石田禎夫先生

2018.9 取材・文:柄川昭彦

•多発性骨髄腫とは

•多発性骨髄腫の検査と診断

•多発性骨髄腫のステージ分類と予後予測

•多発性骨髄腫の治療薬

•多発性骨髄腫の治療アルゴリズム

•多発性骨髄腫の再発・難治性の治療

•多発性骨髄腫の治験

 多発性骨髄腫は抗体を作る形質細胞ががん化する病気で、高カルシウム血症、腎障害、貧血、骨病変などの症状が起きる病気です。かつては症状が現れてから治療を開始していましたが、現在はそれより早い段階で治療が始められるようになっています。自家造血幹細胞移植の適応があれば、移植が推奨されています。移植の適応がない場合には化学療法が行われます。多発性骨髄腫の治療薬は、9種類の新規薬剤が中心となっています。移植をするための前治療としての導入療法や、移植の適応がない場合の化学療法にも使われています。新規薬剤の登場により、多発性骨髄腫は長期間にわたって病気をコントロールすることが可能になっています。

多発性骨髄腫とは

 赤血球、血小板、白血球など血液を構成する細胞のうちの白血球の1つであるB細胞から分化して作られる形質細胞ががん化することで起こるのが、多発性骨髄腫という病気です。

 形質細胞ががん化してできた骨髄腫細胞は、骨髄内で異常に増殖するため、正常な造血機能が抑えられてしまいます。そのため、赤血球が不足すると貧血が起き、白血球が不足すると感染症、血小板の不足は出血するなどのさまざまな症状が起きます。

 形質細胞ががん化すると、細菌やウイルスなどから体を守るために形質細胞が作り出す正常な抗体が減少します。そのため、免疫の働きが低下してしまい、感染症を起こしやすくなります。また、がん化した形質細胞は、正常な抗体を作れなくなっただけでなく、Mたんぱくという異常なたんぱく質を作り出してしまいます。このMたんぱくが血液中に増加すると腎臓が障害されるので、腎臓機能の低下が起きるようになります。

 また、がん化した形質細胞は、骨を溶かす破骨細胞の働きを活性化させます。さらに骨を作る骨芽細胞を抑える物質を作っていることもわかっています。そのため骨が弱くなり、骨折が起きやすくなります。また、骨が溶けるので、血液中のカルシウム値が上がります。

 多発性骨髄腫によって引き起こされるこれらの症状を、高カルシウム血症(hyper Calcemia)、腎障害(Renal failure)、貧血(Anemia)、骨病変(Bone lesion)から4文字をとって「CRAB」といいます。

 多発性骨髄腫は高齢者に多い病気なので、高齢者が増えている日本では増加しています。かつては人口10万人当たり3人ほどでしたが、現在は10万人あたり5人以上になっています。

図1 造血幹細胞と血液の分化

多発性骨髄腫の検査と診断

 多発性骨髄腫を発見するのに有効な検査は、血液検査と画像検査です。血液検査で、高カルシウム血症、腎機能の低下、貧血、総たんぱくの上昇、アルブミン値の低下などがあれば、多発性骨髄腫の可能性があります。画像検査では骨折の有無を調べます。大きな骨折はX線撮影でわかりますが、CT、MRI、PETなどを行えば、ごく小さな骨病変でも見つけることができます。

 こうした検査を行ない多発性骨髄腫の疑いがあれば、骨髄検査で確定診断を行います。骨盤の骨に針を刺し、骨髄液を抜き取って調べ、形質細胞の比率が10%以上に増えていると多発性骨髄腫と診断されます。また、確定診断のためには、血清中の免疫グロブリンを調べる血清免疫固定法検査や、血清FLC(フリーライトチェーン)検査も必要になります。

多発性骨髄腫のステージ分類と予後予測

 多発性骨髄腫は、年齢、病型、病期、合併症などにより病状の経過が異なります。その他にも予後因子があり、治療に対する効果判定や予後予測が行われます。

 多発性骨髄腫のステージ(病期)は、腫瘍の量と予後因子により、I~IIIの3段階に分けられます。アルブミン値(Alb)とβ2ミクログロブリン値(β2MG)に加え、染色体の異常も調べて判定します。Ⅰ期はAlb≧3.5g/dLかつβ2MG<3.5mg/dL、Ⅲ期はβ2MG≧5.5mg/dL、Ⅱ期はそれ以外、となっています(表1参照)。

 染色体に関しては、「17番欠失」「4:14番転座」「14:16番転座」があると予後が悪いことがわかっています。

 以前は、血液検査や骨髄検査で異常が見つかっていても、症状(CRAB)が現れていなければ治療する必要はないとされていました。症状がない段階を「くすぶり型骨髄腫」といいますが、この段階で治療を始めても、かつては生存期間を延ばすことができないため、骨折や腎不全が起きてから治療を始めていました。最近は新薬が登場したこともあり、もう少し早い段階で治療を開始することが推奨されています。

 現在では、(1)骨髄の形質細胞比率が60%以上、(2)血清FLC比率が100以上、(3)MRIにて2か所以上の5mm以上の限局性骨病変、のいずれかがある場合には、治療を開始することが推奨されています。

表1 多発性骨髄腫のステージ分類

I

血清β2ミクログロブリン<3.5mg/L

血清アルブミン≧3.5g/dL

II

ⅠでもⅢでもないもの

III

血清β2ミクログロブリン≧5.5mg/L

造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版を参考に作成

多発性骨髄腫の治療薬

 多発性骨髄腫の薬物療法は、かつては抗がん剤のメルファラン(製品名:アルケラン)とステロイド剤のプレドニゾロンを併用するMP療法が中心でした。しかし、近年になって新規薬剤が次々と登場し、現在は9種類になっています。それにより、長期間にわたって病状をよい状態にコントロールできるようになってきました。

 9種類の新規薬剤は、プロテアソーム阻害薬(ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ)、免疫調整薬(サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド)、ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)、抗体薬(エロツズマブ、ダラツムマブ)に分類されています(表2参照)。

 9種類の新規薬剤のうち、未治療の多発性骨髄腫の治療に使用できるのは、ボルテゾミブとレナリドミドの2種類だけです。他の7種類は、再発・難治性多発性骨髄腫の治療薬として認可されています。再発した場合や、他の薬で治療して効果がなかった多発性骨髄腫の治療に使用することができます。

表2 多発性骨髄腫の治療薬一覧

薬のタイプ

一般名(製品名)

プロテアソーム阻害薬

ボルテゾミブ(ベルケイド)※

カルフィルゾミブ(カイプロリス)

イキサゾミブ(ニンラーロ)

免疫調整薬

サリドマイド

レナリドミド(レブラミド)※

ポマリドミド(ポマリスト)

ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬

パノビノスタット(ファリーダック)

抗体薬

エロツズマブ(エムプリシティ)

ダラツムマブ(ダラザレックス)

※未治療の多発性骨髄腫の治療に使用できる薬

多発性骨髄腫の治療アルゴリズム

 未治療多発性骨髄腫の治療は、自家造血幹細胞移植の適応があるかないかによって、大きく2つに分けられます。「65歳未満・重篤な合併症なし・心肺機能正常」が適応の条件です。65歳は一応の目安で、全身状態が良好であれば、それ以上でも移植が行われることはあります。

 自家造血幹細胞移植は、自分の末梢血から造血幹細胞を採取し、大量化学療法で骨髄中の細胞を死滅させた後、採取しておいた造血幹細胞を戻す治療です。移植した細胞は10日ほどで生着し、細胞の増殖が始まります。自分の細胞を戻す治療なので、他の人の幹細胞を移植する同種移植とは異なり、副作用が少なく、免疫抑制剤も必要ありません。

自家造血幹細胞移植による治療

 導入療法として、新規薬剤を含む3剤併用療法が行われます。基本的に65歳未満なので、3剤併用にも十分に耐えられるからです。よく行われているのが、「ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン療法(BLd療法)」で、これを3~4コース行った後に末梢血中の幹細胞を採取します。

 その後の大量化学療法ではメルファランが使われます。メルファランを通常の治療で使用する場合の用量は9mg/m2程度ですが、大量療法の用量は200mg/m2です。これによって、通常の投与量では死滅させられなかった腫瘍細胞を死滅させます。その後、採取しておいた自分の造血幹細胞を戻します。

図2 多発性骨髄腫治療アルゴリズム 自家造血幹細胞移植適応あり

移植適応のある初発多発性骨髄腫(65歳未満、重篤な合併症なし、心肺機能正常)

↓ ↓ ↓

推奨導入療法

新規薬剤を含む2剤導入療法

BD療法※1、Ld療法※2

(3~4コース)

推奨導入療法

新規薬剤を含む3剤導入療法

BAD療法※3、BCD療法※4、 BLD療法※5、BTD療法※6

(3~4コース)

その他の導入療法新規薬剤を含む治療:TD療法※9、TAD療法※10

↓ ↓ ↓

G-CSF単独※11、HD-CPA+G-CSF※12または、G-CSF+プレリキサフォル※13などで末梢血幹細胞採取

自家造血幹細胞移植併用大量化学療法

経過観察または臨床試験による地固め・維持療法

B、T、L+コルチコステロイドまたはタンデム移植

自家造血幹細胞移植を行えない場合の治療

 自家造血幹細胞移植が適応にならない患者さんには、化学療法が行われます。高齢者が中心となることもあり、ボルテゾミブとレナリドミドの両方を含む併用療法は困難な場合も多いので、「レブラミド+デキサメタゾン療法(Ld療法)」あるいは「メルファラン+プレドニゾロン+ボルテゾミブ療法(MPB療法)」が推奨されています。

 高齢者に対して、「ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン療法(BLd療法)」をそれぞれ減量した「BLdライト療法」が行われることもあります。臨床試験データがまだ十分ではありませんが、非常に成績がよく、副作用が少ないことが明らかになりつつあります。

図3 多発性骨髄腫治療アルゴリズム 自家造血幹細胞移植適応なし

移植非適応の初発多発性骨髄腫(65歳以上、重要臓器の障害あり、移植拒否)

↓ ↓

推奨治療

MPB療法※14(9コース継続)

Ld療法※2(18コース継続)

その他の治療

従来の治療:MP療法※15、CP療法※16、

VAD療法※7、HDD療法※8

改善の見込みが低くなるまで継続

新規薬剤レジメン:Bd療法※17、BLd療法※18、Td療法※19、MPT療法※20、

MPL療法※21、MPTB療法※22、CTd療法※23

↓ ↓

奏功

経過観察または臨床試験による維持療法

造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版を参考に作成

※1

BD療法

ボルテゾミブ、デキサメサゾンの併用した導入療法

※2

Ld療法

レナリドミド、少量デキサメサゾンを併用した導入療法

※3

BAD療法

ボルテゾミブ、キソルビシン、デキサメタゾンを併用した導入療法

※4

BCD療法

ボルテゾミブ、シクロホスファミド、デキサメタゾンを併用した導入療法

※5

BLD療法

ボルテゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンを併用した導入療法

※6

BTD療法

ボルテゾミブ、サリドマイド、デキサメタゾンを併用した導入療法

※7

VAD療法

ビンクリスチン、ドキソルビジン、デキサメタゾンを併称した導入療法

※8

HDD療法

大量のデキサメタゾンを使用した導入療法

※9

TD療法

サリドマイド、デキサメタゾンを併用した導入療法

※10

TAD療法

サリドマイド、ドキソルビジン、デキサメタゾンを併用した導入療法

※11

G-CSF単独

末梢血中の好中球を増加させる薬による単独療法

※12

HD-CPA+G-CSF

大量シクロホスファミドとG-CSFを併用

※13

G-CSF+プレリキサフォル

骨髄から末梢血へ造血幹細胞を遊離する薬とG-CSFを併用

※14

MPB療法

メルファラン、プレドニゾロン、ボルテゾミブ併用療法

※15

MP療法

ルファラン、プレドニゾロン併用療法

※16

CP療法

シクロホスファミド、プレドニゾロン併用療法

※17

Bd療法

ボルテゾミブ、少量デキサメサゾン併用療法

※18

BLd療法

ボルテゾミブ、レナリドミド、少量デキサメサゾン併用療法法

※19

Td療法

サリドマイド、少量デキサメサゾン併用療法

※20

MPT療法

メルファラン、プレドニゾロン、サリドマイド併用療法

※21

MPL療法

メルファラン、プレドニゾロン、レナリドミド併用療法

※22

MPTB療法

メルファラン、プレドニゾロン、サリドマイド、ボルテゾミブ併用療法法

※23

CTd療法

シクロホスファミド、サリドマイド、少量デキサメサゾン併用療法

多発性骨髄腫の再発・難治性の治療

 初回治療の最終投与日から9~12か月以上経過してからの再発や再燃した場合は、初回導入療法で使用したプロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ)や免疫調整薬(レナリドミド)を含む2~3剤を併用する救援療法を行うか、初回治療で使用していない薬に変更します。

 初回治療終了後9~12か月未満に再発や再燃、進行や増悪した場合には、初回治療のキードラッグの効果が期待できないため、初回治療で使用していないキードラッグを含む救援療法が推奨されます。

 どの薬をどのような順番で使用すればよいのかについては、明確にはなっていません。初回治療によって長期間の安定が得られた場合には、初回治療で用いた併用療法を繰り返してもよいことになっています。

 再発・難治性の治療では、薬の投与時間や通院回数なども考慮します。たとえば、プロテアソーム阻害薬のカルフィルゾミブは、優れた効果を発揮する薬ですが、注射薬なので4週のうち3週は週2回通院する必要があります。これに対し、「レブラミド+デキサメタゾン療法(Ld療法)」なら、レブラミドは経口剤なので、月に1回の通院ですみます。ボルテゾミブは注射薬で週に1回の通院が必要です。これに対し、同じプロテアソーム阻害薬のイキサゾミブは経口剤で、月に3回内服すればよく、月に1回の通院ですみます。どのような治療を選択するかは、このようなことも考慮して総合的に判断するとよいでしょう。特に患者さんが高齢の場合や、病院が遠い場合などは、通院が大きな負担になることがあります。

図4 多発性骨髄腫の再発・進行の場合の治療

再発・再燃・難治性骨髄腫

↓ ↓

移植適応

移植非適応

↓ ↓

救援療法(±臨床試験)

自家造血幹細胞移植

同種造血幹細胞移植

救援療法(±臨床試験)

↓ ↓

緩和医療

造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版を参考に作成

多発性骨髄腫の治験

 多発性骨髄腫の治療薬は、近年次々と新薬が登場していますが、進行中の治験がいくつもあり、この状況はまだ続きます。現在、次のような薬の治験が進行中です。

CAR-T療法

 患者さん自身の末梢血からT細胞を採取し、がん細胞を攻撃するように遺伝子の組換えを行った後、培養して患者さんに戻す治療です。遺伝子治療と免疫治療を合わせたような治療といえます。アメリカでは非ホジキンリンパ腫とB細胞性急性リンパ芽球性白血病の治療薬として認可されています。

ベネトクラクス

 染色体に「11:14番転座」がある多発性骨髄腫に対しては、単剤でもよく効くとされています。それ以外に対しても、併用では効果が期待できます。

セレネキソール

 がん抑制たんぱくを核内にとどめる作用を持つ薬です。がん細胞はがん抑制たんぱくを核内から出してしまうので、それをとどめることで増殖を抑制します。

 ベネトクラクスとセレネキソールは、これまでの新規薬剤とまったく異なる作用機序を持っている薬です。また、どちらも経口剤です。

 これらのほか、現在使用されているダラツムマブの投与方法に関する治験も進行中です。従来は点滴で4時間かけて投与されていますが、皮下注射で投与した場合の有効性と安全性を調べる試験が行われています。皮下注射だと投与に要する時間は5分間になります。

プロフィール

石田禎夫(いしだただお)

1984年 札幌医科大学医学部医学科卒業

2000年 札幌医科大学医学部助手

2001年 札幌医科大学医学部講師

2009年 札幌医科大学医学部准教授

2016年 日本赤十字社医療センター血液内科部長

다발성 골수종(MM)의 정확한 진단과 예후 예측에 근거한 치료

감수 : 일본적십자사 의료센터 혈액내과 부장 : 이시다 사다오 박사

2018.9 취재·글: 가라카와 아키히코

. 다발성 골수종이란?

. 다발성 골수종의 검사와 진단

. 다발성 골수종의 병기 분류와 예후 예측

. 다발성 골수종 치료제

. 다발성 골수종의 치료 알고리즘

. 다발성 골수종의 재발·난치성의 치료

. 다발성 골수종의 치험治驗

 다발성 골수종은 항체를 만드는 형질세포가 암화癌化가 되는 질환으로 고 칼슘 혈증, 신부전, 빈혈, 골 병변 등의 증세가 나타나는 병입니다. 예전에는 증상이 나타나면서 치료를 시작했지만 현재는 그보다 빨리 치료를 시작할 수 있습니다. 자가 조혈간(모, 줄기)세포이식의 적응이 있으면 이식이 권장되고 있습니다. 이식 적용이 없을 경우에는 화학요법이 시행됩니다. 다발성 골수종의 치료약은, 9 종류의 신규 약재가 중심이 되고 있습니다. 이식을 하기 위한 전 치료로서의 도입 요법이나, 이식의 적용이 없는 경우의 화학요법에도 사용되고 있습니다. 신규 약제의 등장으로 다발성 골수종은 장기간에 걸쳐서 병을 조절할 수 있게 되었습니다.

다발성 골수종이란?

 적혈구, 혈소판, 백혈구 등 혈액을 구성하는 세포 중 백혈구의 하나인 B세포에서 분화되어 만들어지는 형질세포가 암화 되면서 생기는 것이 다발성 골수종이라는 병입니다.

 형질 세포가 암화 되어 생긴 골수종 세포는 골수 내에서 비정상적으로 증식하기 때문에 정상적인 조혈기능이 억제되어 버립니다. 그래서 적혈구가 부족하면 빈혈이 생기며, 백혈구가 부족하면 감염증, 혈소판 부족은 출혈 등 각종 증세가 일어납니다.

 형질 세포가 암화 되면 세균이나 바이러스 등으로부터 몸을 지키기 위해 형질세포가 만들어내는 정상적인 항체가 감소합니다. 그 때문에, 면역의 기능이 저하해 버려, 감염증을 일으키기 쉬워집니다. 또 암화 한 형질 세포는, 정상적인 항체를 만들 수 없게 되었을 뿐만 아니라, M단백질이라고 하는 이상의 단백질을 만들어 내 버립니다. 이 M단백이 혈액 중에 증가하면 신장이 장애를 일으키기 때문에, 신장 기능의 저하가 일어나게 됩니다.

 또한 암화 한 형질 세포는, 뼈를 녹이는 파골 세포의 기능을 활성화시킵니다. 게다가 뼈를 만드는 골아 세포를 억제하는 물질을 만들고 있는 것도 알고 있습니다. 그러다보니 뼈가 약해지고 골절이 생기기 쉽습니다. 또 뼈가 녹기 때문에, 혈액 중의 칼슘치가 올라갑니다.

 다발성 골수종에 의해 일어나는 이러한 증상을, 고 칼슘 혈증(hyper Calcemia), 신부전(Renal failure), 빈혈(Anemia), 골 병변(Bone lesion)으로부터 4 문자를 받아 "CRAB"라고 합니다.

 다발성 골수종은 고령자에 많은 병이므로 고령자가 증가하고 있는 일본에서는 증가하고 있습니다. 이전에는 인구 10만 명 당 3명 정도였지만, 현재는 10만 명 당 5명 이상이 되었습니다.

※형질세포 : 지라나 림프샘에 많이 있는 림프구가 변형된 특수한 세포. 작은 원형의 핵이 세포질의 한쪽에 치우쳐 있으며, 면역 항체를 만든다.

図1 造血幹細胞と血液の分化

다발성 골수종 검사와 진단

 다발성 골수종을 발견하는데 유효한 검사는, 혈액 검사와 화상 검사입니다. 혈액검사에서, 고칼슘 혈증, 신기능의 저하, 빈혈, 총 단백질의 상승, 알부민치의 저하 등이 있으면, 다발성 골수종의 가능성이 있습니다. 화상 검사에서는 골절의 유무를 조사합니다. 큰 골절은 X선 촬영으로 알 수 있습니다만, CT, MRI, PET등을 실시하면, 아주 작은 골 병변으로도 찾아낼 수 있습니다.

 이러한 검사를 실시해 다발성 골수종의 의심이 들면, 골수 검사로 확정 진단을 실시합니다. 골반 뼈에 침을 꽂아 골수 액을 빼내 조사하여 형질세포의 비율이 10% 이상으로 늘어나면 다발성 골수종으로 진단됩니다. 또, 확정 진단을 위해서는, 혈청 중의 면역 글로블린을 조사하는 혈청면역 고정법 검사나, 혈청 FLC(프리 라이트 체인) 검사도 필요합니다.

다발성 골수종 병기 분류와 예후 예측

 다발성 골수종은, 연령, 병형, 병기, 합병증 등에 의해 병의 상태의 경과가 다릅니다. 그 외에도 예후인자가 있어 치료에 대한 효과판정이나 예후예측을 합니다.

 다발성 골수종의 스테이지(병기)는, 종양의 양과 예후 인자에 의해, I~III의 3 단계로 나눌 수 있습니다. 알부민 값(Alb)과 β-마이크로 글로블린 값 (β2MG)에 염색체 이상 여부도 조사하여 판정합니다. I기는 Alb≧3.5g/dL 또는 β2MG<3.5mg/dL, III기는 β2MG≧5.5mg/dL, II기는 그 이외, 되어 있습니다(표1참조).

 염색체에 관해서는, "17번 결실" "4:14번 전좌" "14:16번 전좌"가 있으면 예후가 나쁘다는 것을 알 수 있습니다.

 예전에는 혈액검사나 골수검사에서 이상이 발견됐더라도 증상(CRAB)이 나타나지 않으면 치료할 필요가 없다고 했습니다. 증상이 없는 단계를 '내연 형 골수종'이라고 하는데, 이 단계에서 치료를 시작해도 과거에는 생존기간을 늘릴 수 없어 골절이나 신부전이 일어나면 치료하기 시작했습니다. 최근에는 신약이 등장한 것도 있어, 좀 더 빠른 단계에서 치료를 개시하는 것이 권장되고 있습니다.

 현재는 (1) 골수의 형질세포 비율이 60%이상, (2) 혈청FLC 비율이 100이상, (3) MRI에서 2개소 이상의 5mm이상 국소 골 병변, 이 중 하나가 있는 경우에는 치료를 개시할 것을 권장하고 있습니다.

표1 다발성 골수종의 병기 분류

I

혈청β2마이크로글리블린<3.5mg/L

혈청 알부민≧3.5g/dL

II

Ⅰ에도Ⅲ에도 없는 것

III

혈청β2마이크로글리블린≧5.5mg/L

조혈기 종양진료 가이드라인 2018년 판을 참고로 작성

다발성 골수종 치료제

 다발성 골수종의 약물 요법은, 이전에는 항암제의 멜파란(제품명 : 알켈란)과 스테로이드제의 프레드니졸론을 병용 하는 MP요법이 중심이었습니다. 그러나 근년이 되어 신규 약재가 차례차례로 등장해, 현재는 9 종류가 되고 있습니다. 그것에 의해, 장기간에 걸쳐서 병상을 좋은 상태로 컨트롤 할 수 있게 되었습니다.

 9종류의 신규약제는 프로테아솜 저해제 (볼테조밉, 칼필조밉, 익사조밉), 면역 조정제(사리도미드, 레날리도미드, 포말리도미드), 히스톤 탈아세틸화 효소억제제(파노비노스타트), 항체약(에로즈맙, 다라투무맙)으로 분류되어 있습니다(표2참조).

 9가지 신규 약제 중 미 치료 다발성 골수종 치료에 사용할 수 있는 것은 보르테조밉과 레날리도미드 두 가지뿐입니다. 다른 7종은 재발·난치성 다발성 골수종의 치료약으로 인가되었습니다. 재발했을 경우나, 다른 약으로 치료해 효과가 없었던 다발성 골수종의 치료에 사용할 수 있습니다.

표2 다발성 골수종의 치료제 일람표

약의 타입

일반 명(제품명)

프로테아좀 저해제

보르테조밉(베루게이드)※

칼필조밉(카이프로리스)

익사조밉(닌라로)

면역조정제

살리도미드

레날리도미드(레블리미드)※

포말리도미드(포말리스트)

히스톤탈아세틸화효소저해제

파노비노스타트(파리닥)

항체약

엘로투주맙(엠플리시티)

다라투무맙(다잘렉스)

※미 치료 다발성 골수종의 치료에 사용할 수 있는 약

다발성 골수종 치료 알고리즘

 미 치료 다발성 골수종의 치료는 자가 조혈모세포이식의 적용이 되는지에 따라 크게 두 가지로 나뉜다. "65세 미만 · 심한 합병증 없음· 심폐 기능 정상"이 적용의 조건입니다. 65세는 일단 눈으로 보아, 전신 상태가 양호하면, 그 이상이라도 이식을 하는 수는 있습니다.

 자가 조혈모세포 이식은 자신의 말초혈에서 조혈모세포를 채취해 대량 화학요법으로 골수 내의 세포를 사멸시킨 후 채취해둔 조혈모세포를 되돌려주는 치료입니다. 이식한 세포는 10일 정도에 활착하여, 세포의 증식이 시작됩니다. 자신의 세포를 돌려주는 치료이므로 다른 사람의 줄기세포를 이식하는 동종이식과는 달리 부작용이 적고 면역억제제도 필요 없습니다.

자가 조혈줄기세포 이식에 의한 치료

 도입 요법으로서 신규 약제를 포함한 3가지 약제 병용요법을 합니다. 기본적으로 65세 미만이므로, 3가지 약제 병용에도 충분히 견딜 수 있기 때문입니다. 잘 행해지고 있는 것이, "볼테조밉+레날리도미드+덱사메타존 요법(BLd요법)"으로, 이것을 3-4 코스 행한 후에 말초혈 중의 줄기세포를 채취합니다.

 그 후의 대량화학요법에서는 멜파란이 사용됩니다. 멜파란을 통상의 치료로 사용하는 경우의 용량은 9 mg/m2정도입니다만, 대량요법의 용량은 200 mg/m2입니다. 이것에 의해서, 통상의 투여량에서는 사멸시킬 수 없었던 종양 세포를 사멸시킵니다. 그 후, 채취해 둔 자신의 조혈모세포를 되돌립니다.

그림2 다발성 골수종 치료의 알고리즘. 자가 조혈모세포 이식 적용함.

이식 적용하는 초발 다발성 골수종(65세 미만, 심한 합병증 없음, 심폐기능 정상)

↓ ↓ ↓

권장도입요법

신약포함 2제 도입요법

BD요법※1, Ld요법※2

(3~4코스)

권장도입요법

신약포함 3제 도입요법

BAD요법※3,

BCD요법※4,

BLD요법※5,

BTD요법※6

(3~4코스)

그 외의 도입요법 신규약제를 포함한 치료:

TD요법※9,

TAD요법※10

↓ ↓ ↓

G-CSF 단독※11, HD-CPA+G-CSF※12 또는, G-CSF+프레릭사폴※13

등에서 말초혈 줄기세포 채취

자가 조혈줄기세포 이식 병용 대량 화학요법

경과관찰 또는 임상시험으로 인한 정지, 유지요법

B,T,L+코르코 스테로이드 또는 탠덤 이식

조혈기 종양 진료지침 2018년 판 참고

자가 조혈 줄기세포 이식 안하는 경우의 치료

 자가 조혈줄기세포 이식의 적용이 안 되는 환자에게는 화학요법이 시행됩니다. 고령자가 중심이 되는 일도 있어, 볼테조밉과 레날리도미드 양쪽 모두를 포함한 병용 요법은 곤란한 경우도 많기 때문에, "레브라미드+덱사메타존 요법 (Ld요법)"혹은 "멜파란+프레드니졸론+볼테조미브 요법 (MPB요법)"이 권장되고 있습니다.

 고령자에 대해서, "볼테조밉+레날리드미드+덱사메타존 요법(BLd요법)"을 각각 감량한 "BLd라이트 요법"을 실시하기도 합니다. 임상시험 데이터가 아직 충분하지 않지만, 매우 성적이 좋고 부작용이 적음이 밝혀지고 있습니다.

그림3 다발성 골수종 치료의 알고리즘. 자가 조혈줄기세포 이식 적용 안함

이식 비적용의 초발 다발성 골수종(65세 이상, 중요장기의 장애로

이식 거부)

↓ ↓

권장 치료

MPB요법※14 (9개 코스계속)

Ld요법※2 (18개 코스 계속)

기타 치료법

종래의 치료:MP요법※15, CP요법※16,

VAD요법※7,HDD요법※8

개선의 전망이 낮아질 때까지 계속.

신규 약제 투약법:Bd요법※17, BLd요법※18, Td요법※19, MPT요법※20,

MPL요법※21, MPTB요법※22, CTd요법※23

↓ ↓

주효

경과관찰 또는 임상시험에 의한 유지요법

조혈기 종양 진료지침 2018년 판 참고하여 작성

※1

BD요법

보르테조밉, 덱사메타존을 병용한 도입요법

※2

Ld요법

레날리도미드, 소량 덱사메타존을 병용한 도입요법

※3

BAD요법

보르테조밉, 키솔비신, 덱사메타존을 병용한 도입요법

※4

BCD요법

보르테조밉, 사이클로포스파미드, 덱사메타존을 병용한 도입요법

※5

BLD요법

보르테조밉, 레날리도미드, 덱사메타존을 병용한 도입요법

※6

BTD요법

보르테조밉, 살리도미드, 덱사메타존을 병용한 도입요법

※7

VAD요법

빈크리슽틴, 독소루비신, 덱사메타존을 병용한 도입요법

※8

HDD요법

대량의 덱사메타존을 사용한 도입요법

※9

TD요법

살리도미드, 덱사메타존을 병용한 도입요법

※10

TAD요법

살리도미드, 독소루비신, 덱사메타존을 병용한 도입요법

※11

G-CSF단독

말초혈 중의 호중구를 증가시킨 약에 의한 단독요법

※12

HD-CPA+G-CSF

대량의 사이클로포스파미드와 G-CSF를 병용

※13

G-CSF+プレリキサフォル

골수에서 말초혈에 조혈줄기세포를 유리시킨 약과 G-CSF를 병용

※14

MPB요법

멜파란, 프레드니솔론, 보르테조밉의 병용요법

※15

MP요법

루파란, 프레드니솔론 병용요법

※16

CP요법

사이클로포스파미드, 프레드니솔론 병용요법

※17

Bd요법

보르테조밉, 소량의덱사메타존 병용요법

※18

BLd요법

보르테조밉, 레날리도미드와 소량의 덱사메타존 병용요법

※19

Td요법

살리도미드와 소량의 덱사메타존 병용요법

※20

MPT요법

멜파란, 프레드니솔론, 살리도미드의 병용요법

※21

MPL요법

멜파란, 프레드니솔론, 레날리도미드의 병용요법

※22

MPTB요법

멜파란, 프레드니솔론, 살리도미드, 보르테조밉의 병용요법

※23

CTd요법

사이클로포스팜미드, 살리도미드, 소량의 덱사메타존 병용요법

다발성 골수종의 재발 . 난치성의 치료

 첫 회 치료의 최종 투여일부터 9~12개월 이상 경과하고 나서 재발이나 재연했을 경우는, 첫 회 도입 요법으로 사용한 프로테아솜 저해제(볼테조밉)나 면역 조정제(레날리도미드)을 포함한 2~3제를 병용하는 구원 요법을 실시하거나 첫 회 치료에서 사용하지 않는 약으로 변경합니다.

 첫 회 치료 종료 후 9~12개월 미만에 재발이나 재연, 진행이나 악화가 되었을 경우에는, 첫 회 치료의 핵심 약제의 효과를 기대할 수 없기 때문에, 첫 회 치료에 사용하지 않는 핵심 약제를 포함한 구원 요법이 추천됩니다.

 어떤 약을 어떠한 순서로 사용하면 좋은지에 대해서는, 명확하게 되어있지 않습니다. 첫 회 치료에 의해서 장기간의 안정을 얻을 수 있었을 경우에는, 첫 회 치료에 이용한 병용 요법을 반복해도 좋다고 되어 있습니다.

 재발 · 난치성의 치료에서는, 약 투여 시간이나 통원 회수 등도 고려합니다. 예를 들면, 프로테아솜 저해제의 칼피조밉은, 뛰어난 효과를 발휘하는 약입니다만, 주사약이기 때문에 4주 중 3주는 주 2회 통원 할 필요가 있습니다. 이것에 대해, "레브리미드+덱사메타존 요법(Ld요법)"이라면, 레브리미드는 경구제이기 때문에, 월 1회의 통원에서 봅니다. 보르테조밉은 주사제로 1주에 한번 씩 통원이 필요합니다. 이것에 대해, 같은 프로테아솜 저해제의 익사조밉은 경구제로, 월 3회 내복하면 되고, 월 1회의 통원에서 봅니다. 어떠한 치료를 선택할지는 이러한 것도 고려하여 종합적으로 판단하면 좋을 것입니다. 특히 환자가 고령의 경우나, 병원이 먼 경우 등은 통원이 큰 부담이 될 수 있습니다.

그림4 다발성 골수종의 재발・진행의 경우의 치료

재발・재연・난치성 골수종

↓ ↓

이식 적용

비 이식 적용

↓ ↓

구원요법(±임상시험)

자가 조혈줄기세포이식

동종 조혈줄기세포이식

구원요법(±임상시험)

↓ ↓

완화의료

조혈기 종양 진료지침 2018년 판 참고하여 작성

다발성 골수종의 치험

 다발성 골수종의 치료약은 최근 신약이 꾸준히 등장하고 있지만, 진행 중인 치료효과도 여러 가지 있어 그 상황은 계속 됩니다. 현재 다음과 같은 약의 치료효과 시험이 진행 중입니다.

CAR-T요법

 환자 자신의 말초혈에서 T세포를 채취하여 암세포를 공격하듯 유전자를 변형시킨 후 배양하여 환자에게 되돌려보내는 치료입니다. 유전자 치료와 면역치료가 합쳐진 치료입니다. 미국에서는 비 호지킨 림프종과 B세포성 급성 림프아구성 백혈병의 치료약으로서 인가되고 있습니다.

베네토클락스

 염색체에 '11번 : 14번 전좌'가 있는 다발성 골수종에 대해서는 단제로도 잘 듣는다고 합니다. 그 이외에 대해서도, 병용에서는 효과를 기대할 수 있습니다.

셀레넥솔

 암 억제 단백질을 핵 속에 억제하는 작용을 가진 약입니다. 암세포는 암 억제 단백질을 핵 속으로부터 꺼내버리기 때문에, 그것을 멈추는 것으로 증식을 억제합니다.

 베네토클락스와 셀레넥솔은, 지금까지의 신규 약재와 완전히 다른 작용 기제를 가지고 있는 약입니다. 또 둘 다 경구제입니다.

 이것들 외에 현재 사용되고 있는 다라투무맙의 투여 방법에 관한 치험도 진행 중입니다. 종래는 링거로 4시간에 걸쳐 투여되고 있습니다만, 피하 주사로 투여했을 경우의 유효성과 안전성을 조사하는 시험을 하고 있습니다. 피하 주사라면 투여에 소요되는 시간은 5분 만에 끝납니다.

프로필

이시다 사다오 박사

1984년 삿포로 의과대학 의학과 졸업

2000년 삿포로 의과대학 의학부 조수

2001년 삿포로 의과대학 의학부 강사

2009년 삿포로 의과대학 의학부 조교수

2016년 일본적십자사 의료센터 혈액내과 부장

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