ステージ筋層非浸潤性膀胱がん リスク分類じた再発防止目的での治療選択

監修:筑波大学附属病院腎泌尿器外科教授 西山博之先生

2018.5 取材・文:町口 充

 

 筋層非浸潤性膀胱がんは、膀胱の粘膜下層までに留まり、筋層には入り込んでいない膀胱がんを指します。筋層非浸潤性膀胱がんは、以前は表在性膀胱がんとも言われ、比較的おとなしいがんが多く、病巣部分を内視鏡的に切除した後に、膀胱内に抗がん剤またはBCGを注入する治療を行います。ただし、膀胱内にいくつもがんが発生(多発)することや、通常組織との見きわめが難しい上皮内がんというタイプのがん発生することもあります。筋層非浸潤性膀胱がんのなかには、進行して転移を起こすタイプのものもあり、リスクを考慮した治療戦略が大切です。

膀胱がんの症状種類

 膀胱は骨盤内にあり、腎臓で作られ尿管を通して流れ込んでくる尿を一時的にためるための袋状の臓器です。内腔側の表面から順に、粘膜上皮(尿路上皮)、粘膜下層という粘膜で覆われ、さらに筋層(筋肉の層)と続いて、外側は脂肪の層で包まれています(図1参照)。膀胱がんは、この尿路上皮ががん化したもので、まれに扁平上皮がんや腺がんの場合もありますが、90%以上が尿路上皮がんという種類です。膀胱がんの原因としては喫煙が最も重要です。

 膀胱がんの症状は、痛みを伴わない赤色や茶色の血尿が一般的で肉眼で見られる自覚症状として最も多い症状の1つです。ときには血のかたまりがでることもあります。排尿するときの痛みや頻尿など頻繁に尿意を感じるなど膀胱炎と同じような症状が出ることもあります。膀胱炎は抗生剤で治療できますが、抗生剤でなかなか治らない膀胱刺激症状を認めるときは膀胱がんも考える必要があります。また、膀胱がんが進行し広がると尿の流れが妨げられるために、尿管や腎盂が拡張し水腎症を起こします。こうした状態になると背中に痛みを感じることもあります。定期的に検診を受けたり、症状があれば医療機関を受診したりして、早期発見・早期治療が大切です。

 膀胱がんは、筋層非浸潤性がん、筋層浸潤性がん、転移性がんに分類されます。がんが粘膜下層に留まっていて筋層に達していないものを筋層非浸潤性膀胱がんと呼びます。筋層非浸潤性膀胱がんでは、比較的低侵襲な治療(内視鏡的切除や膀胱内注入療法)が行われ、きちんと治療すれば転移を来す頻度は低いです。それに対して、がんが粘膜下層を越えて筋層にまで浸潤したものを筋層浸潤性膀胱がんと呼びます。筋層浸潤性膀胱がんでは、膀胱壁を貫き壁の外側へ浸潤したり、転移を来す危険性があるため、筋層非浸潤性膀胱がんとは治療法も大きく異なってきます。つまり、膀胱がんの場合、筋層への浸潤の違いによって治療方法と予後の大きな分かれ目となります。

 転移性がんは、リンパ節や肝臓、肺、骨、副腎、脳など他の臓器に転移した状態をいいます。転移の検査法は、CT検査や骨シンチグラフィが用いられ、転移があった場合は、全身治療である抗がん剤が基本となるが、病状によっては放射線療法、膀胱全摘術、転移巣切除術、尿路変向術などが選択されます。

図1 膀胱がんの深達度と筋層非浸潤性がん・筋層浸潤性がん

出典:日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会編:腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 2011 年4月(第1版),金原出版.より作成

早期筋層非浸潤性膀胱がんの基本経尿道的膀胱腫瘍切除術TURBT

 筋層非浸潤性膀胱がんは膀胱がん全体の約7割を占めます。リンパ節転移や他臓器への遠隔転移もない早期のがんであるため、膀胱は摘出せず、原発のがんのみを切除するのが一般的です(図2参照)。

 がんが筋層に達していない筋層非浸潤性膀胱がんの治療では、「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)」という内視鏡を使った方法が可能です。尿道から膀胱鏡という専用の内視鏡を挿入し、高周波の電気メスで病巣部分を切除します。手術時間は1時間程度で、2~4日の入院が必要です。

 ただし、膀胱を温存する治療であるために、将来的に膀胱内に再発することがあります。また、筋層の近くにまでがんが達している場合(深達度:T1 )は、筋層への浸潤や転移を起こしやすくなります。実際、TURBTの後に追加の治療をしない場合は、6~7割の人が2~5年の間に膀胱内の再発を起こすという報告があります。したがって、TURBT後は、膀胱内再発や浸潤・転移を防ぐために、追加治療を行います。追加治療の内容は、TURBTで採取した組織による病理診断と各種の画像診断の結果から、再発や進展のリスク因子をはかり、リスク分類(表2参照)に従って決定します。

図2 膀胱がん治療のアルゴリズム

出典:日本泌尿器学会,編:膀胱がん診療ガイドライン2015年版,医学図書出版,2015.

表2 筋層非浸潤性膀胱がんのリスク分類

 

低リスク

単発、初発、3cm未満、Ta、ローグレード、上皮内がん併発なしのすべてを満たす

中リスク

Ta-1、ローグレード、上皮内がん併発なし、多発性あるいは大きさが3cm以上

高リスク

T1、ハイグレード、上皮内がん(上皮内がん併発も含む)、多発、再発のいずれかを含む

出典:日本泌尿器学会,編:膀胱がん診療ガイドライン2015年版,医学図書出版,2015.

リスク分類重要ながんの深達度とグレード

 リスク分類に用いられる因子は、がんの深達度(ステージを決めるTNM分類のT)、グレード(異型度)、上皮内がん併発の有無、がんの数や大きさなどです。

深達度

 膀胱がんの病期(ステージ)分類は、がんの深達度(T)、リンパ節転移の有無(N)、他臓器への遠隔転移の有無(M)の3つの指標をもとに決められます。

 筋層非浸潤性膀胱がんの深達度(T)は、Ta(イソギンチャクのように乳頭状に隆起しているが粘膜上皮のみにとどまっている)、T1(筋層には浸潤していないが粘膜下層まで達している)、Tis(上皮の表面を横に広がっており、上皮内がん〔CIS〕と呼ばれる)の3つがあります。リンパ節転移(N)と遠隔転移(M)は、どちらもない症例(N0、M0)で病期としてはステージ0~Iと判定されます。

 深達度Ta、T1、Tisのうち、Taは基底膜(粘膜上皮と粘膜下層の間の膜)を越えていない状態なので、ほぼ転移する頻度は低いです。T1は基底膜を越えて筋層に近い粘膜下層まで食い込んでいるタイプなので一旦治療しても将来的に筋層に浸潤して再発する可能性が高く、また、見つかった時点ですでにリンパ節などに転移しているケースもまれにあるため、注意が必要です。

 一方、上皮の表面に横に広がっているTisは、がんがどこまで広がっているか見分けにくく切除が難しいため、取り残しが起きやすいという問題があります。また、Taのがんよりも浸潤がんへ進行する可能性が高く、注意が必要です。

グレード

 リスクをはかる要因としてもう1つ大切なのがグレードの判別です。グレードとは要するに、がんの増えやすさ、広がりやすさを示す悪性度のことで、「がんの顔つきがよい」「顔つきが悪い」などと表現されることもあります。細胞の形が正常な細胞とどのくらい異なっているかという組織学的異型度を調べて判断します。

 従来はグレード1、2、3の3段階で示されていましたが、現在はハイグレード、ローグレードの2段階で示されることが多いようです。ハイグレードのほうが悪性度は高く、早期に浸潤や転移を起こしやすいとされています。

リスクそれぞれに分類されるのはどのようながんか

 筋層非浸潤性膀胱がんのリスク分類は、低リスク群、中リスク群、高リスク群に分けられます。膀胱内再発を起こしにくく浸潤や転移もしにくいのが低リスク群で、その逆が高リスク群です。

 低リスク群に分類されるのは、初発のがんで、がんが1つしかない単発であり、がんの大きさが3cm未満、深達度はTa、ローグレード、上皮内がんを併発していない、という条件をすべて満たす場合です。

 初発とはがんが初めて見つかって治療を受けるがんのことなので、再発した場合のがんは、すべて中リスク以上となります。高リスク群は、深達度がT1、ハイグレード、上皮内がんの併発のいずれかを含む場合です。Ta、ローグレードでも多発および再発している場合は高リスクに分類されます。中リスク群は、低リスク群と高リスク群以外です。

 膀胱がんの大きな特徴として、多発しやすいという点があります。さらに、1症例のなかに、Ta、T1、Tisのがんが同時に存在することも多いです。複数のがんが混在している場合は、最もリスクの高いがんでリスク分類は決まります。たとえばTaのローグレード(中リスク群)とT1のハイグレードのがん(高リスク群)があれば、リスクの高いほうのT1のハイグレードを基準にして、高リスク群に分類されます。

リスクではがん膀胱注入する治療術後1回行

 TURBTでがんを切除した後に行う再発予防の追加治療として、低リスク群の標準治療として推奨されるのが、抗がん剤を膀胱内に1回だけ注入する治療(抗がん剤単回膀注療法)です。一般に手術終了後24時間以内に抗がん剤の注入を行います。使われる薬は、アドリアマイシン(製品名:アドリアシン)系の抗がん剤かマイトマイシン(製品名:マイトマイシンC)です。

 具体的には、カテーテルを尿道から膀胱の中に入れて生理食塩水に溶かした抗がん剤を注入します。静脈点滴や内服薬のように血液を通して全身に影響する治療とは異なり、膀胱内に入れるため膀胱粘膜という局所にだけ作用します。そのため、全身性の副作用の心配はあまりなく、薬剤量も多く使える利点があります。

リスクではがん膀注療法BCG膀注療法

 中リスク群の場合に推奨されるのは、膀胱内再発を抑制する目的で抗がん剤を膀胱内に一定期間注入する方法(抗がん剤維持膀注療法)か、あるいはBCGを膀胱内に注入する方法(BCG膀注療法)です。中リスク群では、TURBT後に追加の治療をしない場合の再発率は6~7割ぐらいあります。それに対して、抗がん剤維持膀注療法を行うと再発率は1割程度改善し5~6割となります。一方、BCG膀注療法を行うと8割以上が再発しないとの報告があり、明らかに効果はBCG膀注療法のほうが優れます。ただし、BCG膀注療法を行っても約2割の人は再発します。再発した場合に、もう1度BCG膀注療法をするか、内視鏡による切除を行うか、あるいは膀胱全摘するかは、再発したときのリスク分類や年齢、全身の状態などによって変わってきます。

 抗がん剤維持膀注療法で使用する抗がん剤は、低リスクの抗がん剤単回膀注療法のものと同じです。アドリアマイシン系抗がん剤かマイトマイシンを週に1回、膀胱内に注入し、これを6~10週ぐらい続けます。BCG膀注療法で使用するBCGは、結核の予防接種でも使われるワクチンです。一種の免疫療法であり、がんを殺す効果や再発予防効果が高いことが証明されています。生理食塩水に溶かして、抗がん剤の投与方法と同様、尿道から膀胱に挿入したカテーテルを通じて膀胱内に注入し、一定時間たった後に尿と一緒に排泄します。これを週1回、6~8週ぐらい続けます。

 抗がん剤維持膀注療法とBCG膀注療法を比べると、BCG膀注療法のほうが有効ではあるものの、副作用も強いといわれています。BCGの副作用としては膀胱炎や排尿障害、血尿やなどの膀胱局所の症状が主ですが、全身の倦怠感、発熱や関節痛などの全身性の症状を引き起こすこともあります。このため、BCG膀注療法のほうが、スケジュール通り治療を行う完遂率が低いという問題があります。日本のガイドライン上、中リスクに対してはどちらを選んでもよいことになっており、施設によって選択の傾向が異なります。欧米のガイドラインではBCG膀注療法が中リスク群筋層非浸潤性膀胱がんの標準治療となっています。ちなみに当院では、原則としてBCGを行いますが、副作用が心配でBCG膀注を受けたくないという患者さんには抗がん剤を用いるケースもあります。

リスク上皮内がんは膀胱全摘考慮

 高リスク群や上皮内がんの場合は、抗がん剤膀注療法での効果は期待できないため、BCG膀注療法か膀胱全摘かの選択になります。

 高リスク群に対してもBCG膀注療法は再発の抑制効果があることが確認されているため、可能な限りBCG膀注療法が行われます。毎週1回の注入を6週間繰り返し、その後、3か月ごとに、2~3回BCGを注入する維持療法を行うことがあります。ただし、BCG維持膀注療法の具体的なスケジュールは定まっておらず、施設によってやり方は異なりますが、各国の診療ガイドラインでは少なくとも1年間行うことを推奨しています。

 しかし、BCG膀注療法はBCGを膀胱内に注入する治療法であるため、内腔に接している粘膜には有効であるものの、粘膜下層にまでがんが及んでいるT1ではやはり効き目が弱いという問題があります。このため、がんが浸潤していくリスクの高い症例、たとえばT1でなおかつTURBT施行後も粘膜下にがんが残っていると想定される場合などでは、BCG膀注療法ではなく、膀胱全摘が勧められるケースもあります。

 上皮内がんは、粘膜の表面に横に広がっていてがんの範囲が不明であることが多く、内視鏡では切除しきれないことがあるため、BCG膀注療法が第1選択の治療です。これによる奏効率は70~80%と高いものの、その後、10~20%が筋層浸潤性がんに移行するといわれています。そのため、1~3年間、BCG膀注の維持療法が追加されることもあります。

 BCGの治療後に再発した場合、推奨されるのは膀胱全摘です。しかし、高齢などの理由で膀胱全摘が困難であったり、再発までの期間が1年以上を経ている症例では、再びBCG膀注療法が行われる場合があります。

より正確診断しを新検査法、「蛍光膀胱鏡ウロビジョン

 このように筋層非浸潤膀胱がんの診断・治療には、リスク分類に応じた治療選択が重要であり、正確ながんの位置や広がりを調べるうえで欠かせないのがTURBTです。しかし、その技術は施設によって差があり、がんの組織を取り損ねると、治療効果はもとより正確な診断ができないことになります。特に上皮内がんは、がんの範囲を特定するのが難しく、TURBT後に膀胱内再発が高い割合で起こり、ときに浸潤性がんに進行していく場合があります。その原因の1つに上げられているのが、がんの取り残しです。

 それを防いで、がんの範囲を正確に把握し再発のリスクを減らす方法として登場したのが、5-アミノレブリン酸(ALA(アラ)、製品名:アラグリオ)による蛍光膀胱鏡を用いた光線力学診断ができる検査です。ALAは2017年に承認され、この検査が保険適用で行えるようになりました。ALAは光感受性物質で、これを内服した3時間後に膀胱鏡で特定の波長の光を当てると、がんのある場所が光って見えます。それにより、膀胱がんをより高い精度で検出することができます。

 もう1つ、再発膀胱がんの診断補助のための遺伝子検査として「ウロビジョンDNA FISHプローブキット」という尿中の膀胱細胞の遺伝子を調べる検査キットがあります。一般には膀胱がんをTURBTで切除した後に、尿細胞診による病理検査で尿中のがん細胞の有無により、がんの取り残しがあったかどうかを調べます。これまで、尿細胞診は特異度は高いものの検出感度が低いことが知られていました。一方、近年の研究で、ウロビジョンはがんの検出感度が高い特徴が明らかにされています。偽陽性率が高いことが問題とされていましたが、近年の研究で偽陽性者では将来がんが再発する頻度が高いことがわかり、予後予測に有用といわれています。ウロビジョンはまだ発売されていませんが、臨床の現場で使えるようになれば術後再発の予測および真に膀胱内注入療法を必要とする患者さんの同定につながると期待されています。

プロフィール

西山博之(にしやま・ひろゆき)

1989年 京都大学医学部卒業

1998年 英国インペリアル癌研究基金研究員

2005年 京都大学医学研究科泌尿器科講師

2009年 京都大学医学研究科泌尿器科准教授

2011年 筑波大学医学研究系腎泌尿器外科教授

2018年 筑波大学附属病院副病院長

I기의 근층비침윤성 방광암의 위험도 분류에 따른 재발 방지 목적의 치료 선택

츠쿠바 대학 부속 병원 신장비뇨기 외과 교수 니시야마 히로유키 박사

2018.5 취재·문 : 마치구치 미츠루

 

 근층비침윤성 방광암은 방광의 점막하층에 머물러 근층(근육 층)까지는 들어가지 않은 방광암을 말합니다. 근층비침윤성 방광암은 이전에는 표재성 방광암이라 하여 비교적 얌전한 암이 많아 병소 부분을 내시경으로 제거한 후 방광 내에 항암제 또는 BCG를 주입하는 치료를 시행합니다. 다만 방광 내에 몇 개의 암이 발생(다발)하는 것이나, 통상의 조직이라고 보기 어려운 상피내암이라고 하는 유형의 암이 발생하는 일도 있습니다. 근층비침윤성 방광암 중에는 진행하여 전이를 일으키는 유형의 경우도 있어 위험을 고려한 치료전략이 중요합니다.

방광암의 증세와 종류

 방광은 골반 내에 있어, 신장에서 만들어져 요관을 통해 흘러들어오는 소변을 일시적으로 모아두기 위한 주머니 모양의 장기입니다. 내강 쪽의 표면으로부터 순서대로, 점막상피(요로상피), 점막하층이라고 하는 점막으로 덮여 있고, 나아가 근층(근육의 층)과 이어지고, 바깥쪽은 지방층에 싸여 있습니다(그림 1참조). 방광암은 이 요로상피가 암으로 변한 것으로 드물게 편평상피 암이나 선암의 경우도 있습니다만 90%이상이 요로상피 암이라고 하는 종류입니다. 방광암의 원인으로는 흡연이 가장 큽니다.

 방광암의 증상은 통증을 수반하지 않는 적색이나 갈색 혈뇨가 일반적이고 육안으로 볼 수 있는 자각증상 중 하나입니다. 때로는 피 덩어리가 나오기도 합니다. 배뇨할 때의 통증이나 빈뇨와 빈번히 요의를 느끼는 등 방광염과 같은 증상이 나오는 경우도 있습니다. 방광염은 항생제로 치료할 수 있지만 항생제로 잘 낫지 않는 방광자극증세를 감지할 때는 방광암도 생각해야 합니다. 또한 방광암이 진행되어 확산이 되면 오줌의 흐름을 방해할 수 있기 때문에, 요관尿管이나 신우가 확장되어 수신증水腎症을 일으키게 됩니다. 이런 상태가 되면 등에 통증을 느끼기도 합니다. 정기적으로 검진을 받거나 증세가 있으면 의료기관에 진료하여 조기발견 및 조기치료가 중요합니다.

 방광암은 근층비침윤성, 근층침윤성, 전이성으로 분류됩니다. 암이 점막 하층에 머물러 있어 근층에 이르지 못한 것을 근층 비침윤성 방광암이라고 부릅니다. 근층 비침윤성 방광암은 비교적 저 침습 치료(내시경 절제나 방광 내 주입 요법)가 행해져 제대로 치료하면 전이를 초래하는 빈도가 낮습니다. 이에 비해 암이 점막하층을 넘어 근층까지 침투한 것을 근층침윤성 방광암이라고 부릅니다. 근층침윤성 방광암은 방광 벽을 관통해 벽의 바깥쪽으로 침윤하거나 전이가 올 위험이 있기 때문에 근층비침윤성 방광암과는 치료법도 크게 다릅니다. 즉 방광암의 경우 근층에 대한 침윤의 차이에 따라 치료방법과 예후 사이에 큰 차이가 납니다.

 전이성은, 림프절이나 간, 폐, 뼈, 부신, 뇌 등 다른 장기로 전이된 상태를 말합니다. 전이의 검사법은, CT 검사나 뼈 신티그래피(scintigraphy ; 섬광 조영술)가 이용되며, 전이가 있는 경우는, 전신 치료인 항암제가 기본이 되지만, 병상病狀에 따라서는 방사선 요법, 방광 전적술全摘術, 전이소 절제술, 요로 변향술変向術 등이 선택됩니다.

그림1 방광암의 심도 및 근층 비 침윤성 . 근층 침윤성 암

출전: 일본비뇨기과학회·일본병리학회·일본의학방사선학회편: 신우·뇨관·방광암 취급 규약 2011년 4월(1판), 가나하라 출판에서 작성

조기 근층 비침윤성 방광암의 기본은 요도 경유 방광 종양 절제술(TURBT)

 근층 비 침윤성 방광암은 방광암 전체의 약 70%를 차지합니다. 림프절 전이나 다른 장기로의 원격전이도 없는 조기 암이기 때문에, 방광은 적출하지 않고, 원발(처음 발병한) 암만을 절제하는 것이 일반적입니다(그림 2참조).

 암이 근(육)층에 도달하지 않은 근층 비 침윤성 방광암의 치료는 "요도 경유 방광종양 절제술(TURBT)"라는 내시경을 사용한 방법이 가능합니다. 요도에서 방광경이라고 하는 전용의 내시경을 삽입해, 고주파의 전기 메스로 병소 부분을 절제합니다. 수술시간은 1시간 정도로 2~4일의 입원이 필요합니다.

 다만, 방광을 온존(온전히 보존)하는 치료이기 때문에, 장래에 방광 내에서 재발하는 일이 있습니다. 또 근층의 근처에까지 암이 도달된 경우 (심도:T1)에는, 근층에 침윤이나 전이를 일으키기 쉬워집니다. 실제로 TURBT 후에 추가의 치료를 하지 않는 경우에는, 60~70%의 사람들이 2~5년 사이에 방광 내의 재발을 일으킨다고 하는 보고가 있습니다. 따라서 TURBT 후에는, 방광 내 재발이나 침윤 · 전이를 막기 위해서, 추가 치료를 실시합니다. 추가 치료의 내용은, TURBT에서 채취한 조직에 의한 병리 진단과 각종 화상 진단의 결과로부터, 재발이나 진행의 위험 인자를 계산하여, 위험도 분류(표 2 참조)에 따라서 결정합니다.

그림2 : 방가ᅟᅪᆼ암 치료의 알고리즘

출전: 일본 비뇨기학회 편: 방광암 진료 가이드라인 2015년, 의학도서 출판 2015.

표2 : 근층비침윤성 방광암의 위험 분류

 

낮은 위험도

단발, 초발, 3cm 미만, Ta, 낮은 위험도, 상피내암 병발이 없는 모든 것을 충족시킴.

중간 위험도

Ta-1、낮은 위험도、상피내암 병발 없음、다발성 혹은 직경 3cm 이상.

높은 위험도

T1、높은 위험도、상피내암 (상피내암의 병발도 포함한다), 다발, 재발 중 하나를 포함함.

출전: 일본 비뇨기학회 편: 방광암 진료 가이드라인 2015년, 의학도서 출판 2015.

위험 분류에 있어서 가장 중요한 암의 심도와 이형도

 위험도 분류에 이용되는 인자는 암의 심도(병기를 결정하는 TNM분류의 T), 그레이드(이형도), 상피내암 병발의 유무, 암의 수나 크기 등입니다.

암의 심도

 방광암의 병기(스테이지) 분류는, 암의 심도(T), 림프절 전이의 유무(N), 다른 장기로의 원격 전이의 유무(M)의 3개의 지표를 기초로 결정됩니다.

 근층비침윤성 방광암의 심도(T)는, Ta(말미잘과 같이 유두 모양으로 융기하고 있지만 점막상피에만 머무르고 있다), T1(근층에는 침윤하지 않지만 점막하층까지 이르고 있다), Tis(상피의 표면에서 옆으로 펼쳐져 있어 상피내암[CIS]라고 불린다)의 3개가 있습니다. 림프절전이(N)와 원격 전이(M)는, 어느 쪽도 없는 증례(N0, M0)로 병기로서는 스테이지 0~I로 판정됩니다.

 심도 Ta, T1, Tis 중, Ta는 기저 막(점막상피와 점막하층의 사이의 막)을 넘지 않은 상태이므로, 거의 전이하는 빈도는 낮습니다.T1은 기저 막을 넘어 근층에 가까운 점막하층까지 잠입하고 있는 형태이므로 일단 치료해도 장래에 근층에 침윤해 재발할 가능성이 높고, 또, 발견된 시점에 이미 림프절 등에 전이되어 있는 사례도 드물기 때문에, 주의가 필요합니다.

 한편, 상피의 표면에 옆으로 퍼지고 있는 Tis는, 암이 어디까지 퍼지고 있는지 분간하기 어려워 절제가 어렵기 때문에, 잔여 암이 생기기 쉽다고 하는 문제가 있습니다. 또, Ta의 암보다 침윤 암으로 진행될 가능성이 높고, 주의가 필요합니다.

이형도異形度 (Grade)

 위험도를 재는 요인으로서 또 하나의 중요한 것이 이형도의 판별입니다. 이형도는 요약하면 암의 퍼지기 쉬움을 나타내는 악성도로, "암의 기색이 좋다" "기색이 나쁘다" 등이라고 표현되기도 합니다. 세포의 형태가 정상적인 세포와 얼마나 다른지에 대한 조직학적 이형도를 조사하여 판단합니다.

 종래에는 1, 2, 3기의 3 단계 표시하고 있었지만, 현재는 고위험과 저 위험의 2 단계로 표시하는 수가 많은 듯합니다. 고위험 쪽이 악성도는 높아 조기에 침윤이나 전이를 일으키기 쉽다고 여겨지고 있습니다.

, , 고 위험 각각으로 분류되는 것은 어떤 암인가?

 근층비침윤성 방광암의 위험도 분류는 저 위험군危險群, 중 위험군, 고 위험군으로 나뉜다. 방광 내 재발을 일으키기 힘들어 침윤이나 전이도 어려운 것이 저 위험군으로, 그 역이 고 위험군입니다.

 저 위험군으로 분류되는 것은, 원발原發 암으로, 암이 1개 밖에 없는 단발이며, 암의 크기가 3cm 미만, 심도는 Ta, 저 위험도, 상피내암을 병발하고 있지 않다, 라는 조건을 모두 충족시키는 경우입니다.

 원발이란 암이 처음 발견되어 치료를 받는 암이므로 재발했을 경우의 암은 모두 중 위험도 이상이 됩니다. 고위험군은 심도가 T1, 고 위험, 상피내암 병발 중 하나를 포함할 경우입니다. Ta, 저 위험군에서도 다발 및 재발하고 있는 경우는 고위험으로 분류됩니다. 중 위험군은 저 위험군과 고위험군 이외입니다.

 방광암의 큰 특징으로 다발하기 쉽다는 점이 있습니다. 게다가 1증례 속에, Ta, T1, Tis 암이 동시에 존재하는 경우도 많습니다. 여러 개의 암이 혼재되어 있는 경우는, 가장 위험도가 높은 암으로 위험도 분류가 정해집니다. 예를 들면 Ta의 저 위험군(중 위험군)과 T1의 고위험군의 암(고위험군)이 있으면, 위험도가 높은 쪽의 T1의 고 위험군을 기준으로 해, 고 위험군으로 분류됩니다.

저 위험군은 항암제를 방광에 주입하는 치료를 수술 후에 한 번 한다.

 TURBT(요도 경유 방광암 절제술)로 암을 절제한 후에 실시하는 재발 예방의 추가 치료로서 저 위험군의 표준 치료로서 추천되는 것이, 항암제를 방광 내에 1회만 주입하는 치료(항암제 단회 방주 요법)입니다. 일반적으로 수술 종료 후 24시간 이내에 항암제의 주입을 실시합니다. 사용되는 약은, 아드리아마이신(제품명 : 아드리아신)계의 항암제나 마이트마이신(제품명 : 마이트마이신C)입니다.

 구체적으로는, 카테터(catheter : 체내에 삽입하여 소변 등을 뽑아내는 도관)를 요도로부터 방광 안에 넣어 생리 식염수에 녹인 항암제를 주입합니다. 정맥 점적이나 내복약과 같이 혈액을 통해 전신에 영향을 주는 치료와는 달리 방광 내에 넣기 위해 방광 점막이라는 국소에만 작용합니다. 그 때문에 전신 부작용의 걱정이 별로 없고, 약제의 양도 많이 사용할 수 있는 이점이 있습니다.

중 위험군에서는 항암제의 방주(방광 주입) 요법이나 BCG의 방주 요법.

 중 위험군의 경우에 권장되는 것은 방광 내 재발을 억제할 목적으로 항암제를 방광 내에 일정 기간 주입하는 방법(항암제 유지 방주요법)이나 BCG를 방광 내에 주입하는 방법(BCG 방주요법)입니다. 중 위험군에서는, TURBT 후에 추가의 치료를 하지 않는 경우의 재발률은 60~70% 정도 있습니다. 그것에 대해 항암제 유지 방주 요법을 실시하면 재발률은 10% 정도 개선되어 50~60%가 됩니다. 한편, BCG 방주 요법을 실시하면 80% 이상이 재발하지 않는다는 보고가 있어, 확실히 효과는 BCG 방주 요법이 우수합니다. 다만, BCG 방주 요법을 실시해도 약 20%의 사람들은 재발합니다. 재발했을 경우에, 한 번 더 BCG 방주 요법을 할지, 내시경에 의한 절제를 할지, 혹은 방광 전적을 할지는, 재발했을 때의 위험도 분류나 연령, 전신 상태 등에 의해서 변합니다.

 항암제 유지 방주 요법으로 사용하는 항암제는, 저 위험의 항암제 단회 방주 요법과 같습니다. 아드리아마이신계 항암제나 마이신을 1주일에 한 번씩 방광 내에 주입하고 이것을 6~10주정도 계속합니다. BCG 방주요법으로 사용하는 BCG는 결핵 예방접종으로도 사용되는 백신입니다. 일종의 면역요법으로 암을 죽이는 효과와 재발예방 효과가 높다는 것을 증명하고 있습니다. 생리 식염수에 녹여서, 항암제의 투여 방법과 같이, 요도에서 방광에 삽입한 카테터를 통하여 방광 내에 주입해, 일정시간이 지난 후에 소변과 함께 배설합니다. 이것을 주 1회, 6~8주 정도 계속합니다.

 항암제 유지 방주요법과 BCG방주요법을 비교하면, BCG방주요법이 유효하기는 하지만, 부작용도 강하다고 알려져 있습니다. BCG의 부작용으로서는 방광염이나 배뇨장애, 혈뇨 등의 방광 국소의 증상이 주를 이루고 있지만, 전신의 권태감과 발열이나 관절통 등의 전신성의 증상을 일으키기도 합니다. 이 때문에, BCG 방주 요법이, 스케줄대로 치료를 실시하는 완수율이 낮다고 하는 문제가 있습니다. 일본의 가이드라인 상, 중 리스크에 대해서는 어느 쪽을 선택해도 좋은 것으로 되어 있어 병원에 따라 선택 경향이 다릅니다. 구미의 가이드라인에서는 BCG 방주요법이 중 위험군 근층 비 침윤성 방광암의 표준 치료가 되고 있습니다. 이와 관련하여, 당원에서는 원칙적으로 BCG를 실시하지만 부작용이 걱정돼 BCG방주를 받고 싶지 않다고 하는 환자분에게는 항암제를 이용하는 경우도 있습니다.

고위험군 상피내암은 방광전적膀胱全摘도 고려

 고 위험군이나 상피내암의 경우는, 항암제의 방광주입 요법의 효과는 기대할 수 없기 때문에, BCG 방주 요법이나 방광 전적 중 선택이 됩니다.

 고 위험군에 대해서도 BCG 방주요법은 재발 억제효과가 확인되고 있으므로 가능한 BCG방주요법이 시행됩니다. 매주 1회의 주입을 6주간 반복하고, 그 후 3개월 마다, 2~3회 BCG를 주입하는 유지 요법을 실시하는 일이 있습니다. 단, BCG유지 방주요법의 구체적인 스케줄은 정해져 있지 않으며, 병원에 따라 방식은 다릅니다만, 각국의 진료 가이드라인에서는 적어도 1년간 실시할 것을 권장하고 있습니다.

 그러나, BCG 방주 요법은 BCG를 방광내에 주입하는 치료법이므로, 내강에 접하고 있는 점막에는 유효하지만, 점막 하층에까지 암이 미치고 있는 T1기에서는 역시 효능이 약하다고 하는 문제가 있습니다. 이 때문에, 암이 침윤해 나가는 위험도가 높은 사례, 예를 들면 T1기에 게다가 TURBT 시행 후도 점막 하에 암이 남아 있다고 생각되는 경우 등에서는, BCG 방주 요법이 아니고, 방광 전적을 권하는 케이스도 있습니다.

 상피내암은 점막 표면에 가로로 퍼져 있어 암의 범위가 불분명한 것이 많아 내시경으로는 제거할 수 없는 경우가 있기 때문에 BCG 방주요법이 제1선택의 치료입니다. 이에 따른 주효율은 70~80%로 높지만, 그 후 10~20%가 근층 침윤성으로 이행된다고 합니다. 그 때문에 1~3년간, BCG 방주의 유지 요법이 추가되기도 합니다.

 BCG의 치료 후에 재발했을 경우, 추천할 만한 것은 방광 전적입니다. 그러나 고령 등의 이유로 방광전적이 어렵거나 재발까지의 기간이 1년 이상을 경과한 증례에는 다시 BCG방주요법이 시행되는 경우가 있습니다.

보다 정확한 진단과 잔여 암을 막는 새 검사법 형광방광경우로비전

 이와 같이 근층비침윤방광암의 진단·치료에는 위험도 분류에 따른 치료 선택이 중요하며, 정확한 암의 위치나 확산을 조사하는 데 필수적인 것이 TURBT입니다. 그러나 그 기술은 시설에 따라 차이가 있으며, 암의 조직을 손상시키면 치료효과는 물론 정확한 진단을 할 수 없습니다. 특히 상피내암은, 암의 범위를 특정하기가 어려워, TURBT 후에 방광 내 재발이 높은 비율로 일어나, 때에 침윤성이게 진행되어 가는 경우가 있습니다. 그 원인의 하나로 꼽히고 있는 것이 암이 남아 있는 것입니다.

 그것을 막고, 암의 범위를 정확하게 파악해 재발의 위험을 줄이는 방법으로서 등장한 것이, 5-아미노레브린산(ALA(알라), 제품명 : 알라글리오)에 의한 형광 방광경을 이용한 광선역학 진단을 할 수 있는 검사입니다. ALA는 2017년에 승인되어 이 검사를 보험 적용으로 실시할 수 있게 되었습니다. ALA는 광 감수성 물질로, 이것을 내복 한지 3시간 후에 방광경으로 특정 파장의 빛을 비추면, 암이 있는 장소가 빛나 보입니다. 그 것에 의해, 방광암을 보다 높은 정밀도로 검출할 수 있습니다.

 또 한 가지, 재발 방광암의 진단 보조를 위한 유전자 검사로서 "우로비전 DNA FISH 프로브키트"라고 하는 소변 속의 방광 세포의 유전자를 조사하는 검사 키트가 있습니다. 일반에는 방광암을 TURBT로 절제한 후에, 요尿세포 진에 의한 병리 검사로 소변 내의 암세포의 유무에 의해, 암의 잔재가 있었는지를 조사합니다. 지금까지, 요세포진은 특이도는 높지만 검출 감도가 낮은 것이 알려져 있었습니다. 한편, 최근의 연구로, “우로비전”은 암의 검출 감도가 높은 특징이 밝혀지고 있습니다. 가짜 양성률이 높은 것이 문제로 여겨지고 있었습니다만, 최근의 연구로 가짜 양성자에서는 장래 암이 재발하는 빈도가 높은 것을 밝혀, 예후 예측에 유용하다고 말하고 있습니다. “우로비전”은 아직 발매되지 않았지만, 임상의 현장에서 사용할 수 있게 되면 수술 후 재발 예측 및 진정으로 방광 내 주입요법을 필요로 하는 환자의 동정으로 이어질 것으로 기대됩니다.

프로필

니시야마 히로유키

1989년 교토대 의학부 졸업

1998년 영국 임피리얼 암 연구 기금 연구원

2005년 교토대 의학연구과 비뇨기과 강사

2009년 교토대 의학연구과 비뇨기과 조교수

2011년 쓰쿠바대 의학연구계신비뇨기외과 교수

2018년 츠쿠바대학 부속 병원 부병원장

저작권자 © 암스쿨 무단전재 및 재배포 금지