切除不能進行再発大腸がんの薬物療法化学療法副作用対策

監修:がん研究会有明病院消化器化学療法科部長 山口研成先生

2018.8 取材・文:柄川昭彦

•進行・再発大腸がんの化学療法

•進行・再発大腸がんの化学療法の目標

•進行・再発大腸がんの化学療法を選択基準

•進行・再発大腸がんの1次治療、2次治療以降の治療選択

•進行・再発大腸がんの化学療法の副作用対策

 切除手術が行えない進行・再発大腸がんの治療に対しては、化学療法が行われます。大腸がんの化学療法は、薬剤の開発が進み、治療成績は大幅に向上しています。現在は、できるだけ質の高い生活を維持しながら、がんと共存して生きる期間を延ばすことが治療の目標となります。使用できる薬剤の種類も多く、治療法はその人に合わせて、さまざまな併用療法から選択されます。使用する薬剤に合わせた適切な副作用対策を行うことで、がんを抑える効果を得られる治療を長く継続できるようになっています。

進行再発大腸がんの化学療法

 手術の対象とならない進行・再発大腸がんに対しては、化学療法による全身治療が行われます。同じ消化器のがんでも、胃がんや膵臓がんでは、離れた臓器に1つでも転移があれば、薬物による全身治療が主流であると考えられ、局所治療である手術の対象ではなくなります。しかし、大腸がんの場合には、たとえば肝臓だけに1~2個の転移が見つかった場合も、手術の対象になることがあります。肝臓だけに転移している場合、大腸の原発巣と肝臓の転移巣を切除することが、治癒や長期生存につながることがあるからです。

 転移巣がいくつまでなら手術の対象となるのかという、明確な基準はありません。ただし、転移巣の数が多い場合には、手術で切除してもすぐに再発してしまいます。そのため、転移巣が4~5個を超えているような場合には、一般的には初回治療としての手術の対象とはなりません。

 手術の対象とならない大腸がんでも、化学療法がよく効いた場合に、手術の可能性が生じることがあります。たとえば、肝臓内の重要な血管にがんが浸潤していて手術はできなかった症例でも、化学療法によってがんが縮小し、肝臓の切除が可能になることがあります。そのような場合には、消化器外科と化学療法医で話し合い、手術の対象となるかどうかを検討します。

進行再発大腸がんの化学療法目標

 手術の対象とならない進行・再発大腸がんは、化学療法を行わなければ、生存期間中央値(半数の人が亡くなるまでの平均的な期間)は約8か月とされています。1990年代までは、あまり有効な抗がん剤がなく、化学療法で生存期間を延ばすことはなかなか困難でした。しかし、その後化学療法が進歩し、現在では化学療法を行った場合の生存期間中央値は24~30か月とされています。

 手術の対象とならない進行・再発大腸がんの化学療法では、より長い生存期間を目指して治療が行われます。しかし、ただ長ければよいというわけではなく、より質の高い生活を送れることが重要です。よりよい生活を、できるだけ長く送ることを目標に、適切な支持療法のもとでその人に合った副作用対策を工夫し、化学療法が行われます。がんと長く付き合っていくための化学療法です。

 したがって、副作用を我慢してまで治療を優先する必要はありません。副作用がきつかったら、休薬することもあるし、薬の量を減量することもあります。また、家族との旅行の予定があるとか、誕生日のお祝いがあるといった場合には、投薬の時期をずらすことも考えます。そのようにして、生活の質を低下させないようにしながら、治療を進めていくことが大切です。

 ただ、化学療法と生活の質に関しては、多くの人が誤解しています。抗がん剤は副作用が強いので、化学療法を受けると生活の質が低下してしまう、と考えている人が多いのですが、必ずしもそうではありません。がんに伴う症状がある人は、化学療法を行ってがんが縮小すると、症状が軽減して楽になります。がんが大きい場合や、がんに伴って痛みなどの症状がある場合には、化学療法をしっかり行って、がんを縮小させたほうが、症状が楽になりますし、それに伴って生活の質も改善することが多いのです。

 もちろん、副作用を我慢してまで治療を頑張る必要はありませんが、化学療法を受けないほうが生活の質を高く保てる、と考えるのは正しくありません。化学療法を必要以上に恐れず、しっかり行うことが、よい状態で生存期間を延ばすことにつながります。

進行再発大腸がんの化学療法選択基準

 大腸がんの化学療法で使用できる薬剤は何種類もあります。どのような薬剤を使って治療するかは、主に次のような要因を考慮して決められます。

▶患者要因

 合併症の有無と種類、年齢、認知機能、治療への意欲、価値観などを考慮して、その人に合った薬剤を選択します。また、家族などケアギバー(患者さんのケアをする人)の有無や、通院距離(または時間)なども考える必要があります。通院で化学療法を受ける場合に、副作用が起きた際の対処を担うなど、ケアギバーの存在は重要です。

▶腫瘍要因

 RASやBRAFといった遺伝子変異の有無、原発部位が大腸の右側(盲腸・上行結腸・横行結腸)か左側(下行結腸・S状結腸・直腸)か、転移の起きている部位、腫瘍の量、腫瘍に伴う臓器障害の有無、出血の可能性、穿孔の可能性、骨転移の有無などを考慮して、薬剤を選択します。RAS遺伝子変異のないタイプ(野生型)には、抗EGFR抗体薬セツキシマブ(製品名:アービタックス)、パニツムマブ(製品名:ベクティビックス)が使われます。原発部位が大腸の右側だとこれら抗がん剤の感受性が低く、左側だと感受性が高いことがわかっています。

▶治療強度

 腫瘍を縮小させる作用は、使用する薬剤によって違いがあります。FOLFOXIRI(フルオロウラシル〔製品名:5-FU〕+レボホリナート〔製品名:ロイコボリン〕+オキサリプラチン〔製品名:エルプラット〕+イリノテカン〔製品名:イリノテカン〕)+ベバシズマブ(製品名:アバスチン)は、副作用は強めですが、腫瘍を縮小させる効果が高いという特徴があります。腫瘍が大きいことによる症状が出ている場合や、手術ができるようになる可能性がある場合には、副作用が強めでも治療強度の高い治療法を選択します。

進行再発大腸がんの1次治療2次治療以降治療選択

 基本となる併用療法として、FOLFOX(5-FU+レボホリナート+オキサリプラチン)とFOLFIRI(5-FU+レボホリナート+イリノテカン)があります。CapeOX(カペシタビン〔製品名:ゼローダ〕+オキサリプラチン)とSOX(S-1〔製品名:ティーエスワン〕+オキサリプラチン)は、FOLFOXの変化形で、5-FUの代わりに同系統の経口抗がん剤カペシタビンを使用します。

 FOLFOXIRIは、FOLFOXとFOLFIRIで使用する抗がん剤を合わせた併用療法です。

 効果を高めるため、これらの併用療法に、分子標的薬のベバシズマブを加えます。抗EGFR抗体薬のセツキシマブとパニツムマブは、がん細胞のRAS遺伝子を調べ、変異がない野生型の場合に使用します。現時点では、FOLFOXIRIにセツキシマブ、またはパニツムマブを併用することは,臨床研究の範疇になります。ベバシズマブは遺伝子変異にかかわらず効果を発揮し、経口抗がん剤のティーエスワンやカペシタビンとの併用でも有効性があることが証明されています。

 BRAF遺伝子の検査も2018年8月から保険で行えるようになりました。BRAF遺伝子に変異のある大腸がんは、抗EGFR抗体薬が効きにくいので、変異があった場合、1次治療でセツキシマブやパニツムマブを使用すべきではありません。また、がんの性質が強いので、FOLFOXIRIにベバシズマブを併用した投与法が用いられることが多いです。

▶1次治療

 よく使われているのは、「FOLFOX+ベバシズマブ」「CapeOX+ベバシズマブ」「SOX+ベバシズマブ」「FOLFORI+ベバシズマブ」などです。 RAS野生型の場合には、「FOLFOX+セツキシマブまたはパニツムマブ」も使われます。1次治療が決まると、2次治療や3次治療は自動的に決まります(図参照)。

▶2次治療以降

 1次治療で「FOLFOX+ベバシズマブ」「CapeOX+ベバシズマブ」「SOX+ベバシズマブ」のいずれかを行った場合、2次治療は「FOLFORI+ベバシズマブ」となります。2次治療のベバシズマブをラムシルマブ(製品名:サイラムザ)かアフリベルセプト(製品名:ザルトラップ)に変えることもありますが、これら薬剤の使い分けの科学的根拠は、まだ明確ではありません。RAS野生型であれば、3次治療は「イリノテカン+セツキシマブまたはパニツムマブ」となり、4次治療が「レゴラフェニブ(製品名:スチバーガ)」か「TAS-102(製品名:ロンサーフ)」となります。

 1次治療で「FOLFORI+ベバシズマブ」を行った場合は、2次治療は「FOLFOX+ベバシズマブ」、「CapeOX+ベバシズマブ」か「SOX+ベバシズマブ」のいずれかになります。RAS野生型だった場合は、3次治療で「イリノテカン+セツキシマブまたはパニツムマブ」、4次治療で「レゴラフェニブ」か「TAS-102」となります。

 RAS野生型で、1次治療で「FOLFOX+セツキシマブまたはパニツムマブ」を行った場合、2次治療は「FOLFORI+ベバシズマブ」となります。このベバシズマブを「ラムシルマブ」か「アフリベルセプト」に変えることもありますが、これらの使い分けにおいても、科学的根拠はまだ明確ではありません。3次治療は「レゴラフェニブ」か「TAS-102」となります。以上が比較的よく使用されている治療法です。

図 治療薬の選び方

1차

치료

FOLFOX+ベバシズマブor

CapeOX+ベバシズマブor

SOX+ベバシズマブ

FOLFIRI+ベバシズマブ

FOLFOX+セツキシマブor

FOLFOX+パニツムマブ

※(RAS 야생형)

↓ ↓ ↓

2차

치료

FOLFIRI+ベバシズマブ

(FOLFIRI+ラムシルマブ、

FOLFIRI+アフリバセプト)

FOLFOX+ベバシズマブor

CapeOX+ベバシズマブ

FOLFIRI+ベバシズマブ

(FOLFIRI+ラムシルマブ、

FOLFIRI+アフリバセプト)

↓ ↓ ↓

3차

치료

イリノテカン+セツキシマブor

イリノテカン+パニツムマブ

※ (RAS 야생형)

イリノテカン+セツキシマブor

イリノテカン+パニツムマブ

※ (RAS 야생형)

レゴラフェニブor

トリフルリジン・チピラシル

↓ ↓

4차

치료

レゴラフェニブor

トリフルリジン・チピラシル

レゴラフェニブor

トリフルリジン・チピラシル

※は、RAS野生型の場合

大腸癌診療ガイドライン2016年版を参考に作成

進行再発大腸がんの化学療法副作用対策

 化学療法による副作用は、使用する薬剤によって異なります。ここでは、よく使われる併用療法の副作用対策について紹介します。

▶CapeOX+ベバシズマブ

 カペシタビンは経口剤なので、決められた時間(通常、朝食後と夕食後30分以内の1 日2回)にきちんと内服することが大切な治療です。代表的な副作用は手足症候群であり、手のひらや足の裏に皮膚障害が起こります。皮膚をケアするために保湿軟膏を塗り、症状の強い部分にはステロイド軟膏を使用します。骨髄抑制への対策も必要であり、感染症を起こして発熱したときは、抗生物質を処方されることもあります。どのような場合に服用するのかなどの説明を聞いておく必要があります。下痢に対しては、下痢止め薬のロペラミド(製品名:ロぺミンなど)が前もって処方されます。消化器症状などによって食事がとれないときは、早めに病院に連絡することが必要です。治療を重ねていくと、オキサリプラチンによる副作用でしびれが出てくるようになります。寒冷刺激が誘因となるので、冷たい水に触れることや、冷たい飲み物を避けるようにします。ベバシズマブの副作用で高血圧やタンパク尿が出ることがあります。血圧は家庭で測り、血圧が高くなった場合には、降圧剤が処方されます。

▶FOLFOX+セツキシマブ

 副作用として最も問題となるのは、セツキシマブによる皮疹です。それを予防するため、抗生物質のミノサイクリン(製品名:ミノマイシンなど)を内服します。さらに、日焼け止めと保湿軟膏を使用し、症状の強い部分にはステロイド軟膏を使用します。皮膚を清潔に保つことも大切です。この併用療法では、下痢対策も必要です。ごくまれに間質性肺炎が起こることがあります。発症は1%未満ですが、発症すると命にかかわることもあるので、早急な入院治療が必要となります。初発症状は発熱や咳なので、これらの症状が現れた場合はすぐに病院に連絡してください。

▶FOLFOXIRI+ベバシズマブ

 最も問題となる副作用は好中球減少で、感染症を起こしやすくなるので注意する必要があります。感染症が起きたときのために、前もって抗生物質を処方することもあります。下痢や食欲不振もよく現れる副作用です。吐き気予防のため制吐剤のアプレピタント(製品名:イメンド)、パロノセトロン(製品名:アロキシ)やオランザピン(製品名:ジプレキサなど)などを使用します。症状がつらいときには、我慢せずに病院に連絡してください。

▶FOLFIRI+ラムシルマブ

 下痢や骨髄抑制が現れます。下痢が起きたとき、特に高齢者は飲み物や食べ物をとらなくなることがあります。下痢をすると体内の水分が失われるので、このようなときこそ水分をしっかりとる必要があります。ラムシルマブではタンパク尿が出ることがよくあります。定期的に尿検査を行い、タンパク尿が出た場合にはラムシルマブを休薬します。

▶レゴラフェニブ

 レゴラフェニブの主な副作用は、手足症候群、下痢、食欲減退、肥料、しゃがれ声などの発生障害、高血圧、発疹、脱毛、口内炎、疼痛などです。手足症候群は、手や足の裏がピリピリ、チクチクと痛み、赤く腫れたり皮がむける症状です。重症化させないためには、保湿クリームなどを塗って、手足の皮膚の乾燥を防ぐことが大切です。服用中は、木綿の手袋にゴム手袋をして水仕事をする、歩行時は木綿の厚めの靴下をはくなどして、手足を保護するとよいでしょう。

▶TAS-102

 TAS-102の主な副作用は、好中球減少症、悪心、食欲不振、下痢、倦怠感、貧血、血小板減少症などです。好中球が減少すると、感染症にかかりやすくなるので、手洗いやうがいをこまめに行います。必要時には、好中球・白血球を増やすG-CSF製剤を注射します。

▶イリノテカン

 イリノテカンの主な副作用は、貧血、下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、腹痛、腸炎、腸管麻痺、脱毛などです。多くの人で下痢の症状がでます。投与24時間以内に生じる早発性の下痢や、1週間前後にピークになる下痢など、症状に合わせて薬を使います。

 手術の対象とならない進行再発大腸がんの化学療法の目標は、副作用を抑えて治療を続け、よりよい生活をできるだけ長く送ることです。副作用はがまんせずに、どの副作用がどのようにつらいか、生活上のイベントのために投薬の時期をずらせるかなど、主治医に副作用対策や休薬・減薬をよく相談のうえ、化学療法を気長に続けていっていただければと思います。

プロフィール

山口研成(やまぐち・けんせい)

1990年 防衛医科大学校卒業

1996年 埼玉県立がんセンター臨床検査部医員

1998年 埼玉県立がんセンター臨床検査部医長

2001年 埼玉県立がんセンター消化器科医長

2005年 埼玉県立がんセンター消化器内科副部長

2013年 埼玉県立がんセンター消化器内科科長兼部長

2015年 がん研有明病院消化器化学療法科部長

2017年 がん研有明病院院長補佐

「최신치료정보」

절제불능의 진행, 재발 대장암의 약물요법(화학요법)과 부작용대책

감수: 암 연구회 아리아케 병원 소화기 화학요법과 부장 야마구치 켄세이 박사

218.8 취재·문: 가라카와 아키히코

. 진행·재발 대장암 화학요법

. 진행·재발 대장암의 화학 요법의 목표

. 진행·재발 대장암 화학요법 선택기준

. 진행·재발 대장암의 1차 치료, 2차 치료 이후의 치료 선택

. 진행·재발 대장암 화학 요법의 부작용 대책

절제 수술을 실시할 수 없는 진행·재발 대장암의 치료에 대해서는, 화학 요법을 합니다. 대장암의 화학 요법은, 약제의 개발이 진행되어, 치료 성적은 큰 폭으로 향상되고 있습니다. 현재는, 가능한 한 질 높은 생활을 유지하면서, 암과 공존해 사는 기간을 늘리는 것이 치료의 목표가 됩니다. 사용할 수 있는 약제의 종류도 많아, 치료법은 그 사람에 맞추어, 다양한 병용 요법으로부터 선택됩니다. 사용하는 약제에 맞춘 적절한 부작용 대책을 실시하는 것으로, 암을 억제하는 효과를 얻을 수 있는 치료를 길게 계속할 수 있도록 되어 있습니다.

진행·재발 대장암의 화학요법

수술의 대상이 되지 않는 진행·재발 대장암에 대해서는, 화학요법에 의한 전신 치료가 이루어집니다. 같은 소화기의 암이라도, 위암이나 췌장암에서는, 먼 장기에 1개라도 전이가 있으면, 약물에 의한 전신 치료가 주류라고 생각되어 국소 치료인 수술의 대상이 아닙니다. 그러나 대장암의 경우에는, 예를 들면 간에만 1~2개의 전이가 발견되었을 경우도, 수술의 대상이 되는 일이 있습니다. 간에만 전이된 경우 대장인 원발소와 간의 전이소를 제거하는 것이 치유와 장기생존으로 이어질 수 있기 때문입니다.

전이소가 몇 개까지라면 수술의 대상이 되는가라고 하는, 명확한 기준은 없습니다. 다만, 전이소의 수가 많은 경우에는, 수술로 절제해도 곧바로 재발해 버립니다. 때문에, 전이소가 4~5개를 넘는 경우에는, 일반적으로는 첫 번 치료로서 수술의 대상이 되지 않습니다.

수술대상이 되지 않는 대장암이라도 화학요법이 잘 들을 경우에 수술 가능성이 생기는 경우가 있습니다. 그러한 경우에는 소화기 외과와 화학요법 전문의와 서로 이야기하여, 수술의 대상이 되는지를 검토합니다.

진행·재발 대장암의 화학요법의 목표

수술의 대상이 되지 않는 진행·재발 대장암은, 화학 요법을 실시하지 않으면, 생존 기간 중앙치(반수의 사람이 사망할 때까지의 평균적인 기간)는 약 8개월로 되어 있습니다. 1990년대만 하더라도 별로 유효한 항암제가 없어 화학요법으로 생존기간을 늘리기가 쉽지 않았습니다. 그러나 그 후 화학 요법이 진보해, 현재는 화학 요법을 실시했을 경우의 생존 기간 중앙치는 24~30개월이 되어 있습니다.

 수술의 대상이 되지 않는 진행·재발 대장암의 화학요법에서는, 보다 긴 생존 기간을 목표로 하여 치료가 이루어집니다. 그러나 단지 길면 좋은 것이 아니고, 보다 질 높은 생활을 보낼 수 있는 것이 중요합니다. 보다 좋은 생활을, 가능한 한 길게 보내는 것을 목표로, 적절한 지지 요법의 아래에서 그 사람에게 맞은 부작용 대책을 궁리해 화학 요법을 합니다. 암과 오래 교제해 가기 위한 화학 요법입니다.

 따라서 부작용을 감수하면서까지 치료를 우선할 필요는 없습니다. 부작용이 생기면 투약을 일시 중지하기도 하고 투약의 양을 감량하기도 합니다. 또한 가족과의 여행의 예정이 있다든가, 생일 축하가 있다고 하는 경우에는, 투약의 시기를 늦추는 것도 생각합니다. 그렇게 해서, 생활의 질을 저하시키지 않게 하면서 치료를 진행시켜 나가는 것이 중요합니다.

 다만 화학요법과 삶의 질에 관해서는 많은 사람들이 오해를 합니다. 항암제는 부작용이 강하기 때문에, 화학요법을 받으면 생활의 질이 저하해 버린다, 라고 생각하고 있는 사람이 많지만, 반드시 그렇지는 않습니다. 암에 수반하는 증상이 있는 사람은, 화학요법을 실시해 암이 축소하면, 증상이 경감되어 편해집니다.

 물론 부작용을 감수하면서까지 치료를 열심히 할 필요는 없지만 화학요법을 받지 않는 편이 삶의 질을 높게 유지한다고 생각하는 것은 옳지 않습니다. 화학요법을 필요이상으로 두려워하지 않고 확실히 하는 것이 좋은 상태에서 생존기간을 연장하는 것으로 이어집니다.

진행·재발대장암의 화학요법을 선택하는 기준

 대장암 화학요법으로 사용할 수 있는 약제는 몇 종류 있습니다. 어떠한 약제를 사용해 치료할지는, 주로 다음과 같은 요인을 고려해 결정할 수 있습니다.

▶환자요인

 합병증의 유무와 종류, 연령, 인지기능, 치료 의욕, 가치관 등을 고려하여 그 사람에 맞는 약제를 선택합니다. 또한 가족 등 간병인(CARE GIVER)의 유무나, 통원 거리(또는 시간)등도 생각할 필요가 있습니다. 통원으로 화학요법을 받는 경우에 부작용이 발생했을 때의 대처를 담당하는 등 간병인의 존재는 중요합니다.

▶종양요인

 RAS나 BRAF라고 하는 유전자 변이의 유무, 원발 부위가 대장의 오른쪽(맹장 · 상행 결장 · 횡행 결장)이나 왼쪽(하행 결장 · 직장)인가, 전이가 생긴 부위, 종양의 양, 종양에 수반되는 장기장애의 유무, 출혈의 가능성, 천공의 가능성, 골 전이의 유무 등을 고려하여 약제를 선택한다. RAS 유전자 변이가 없는 타입(야생형)에는 항EGFR 항체약 세톡시 맙(제품명 : 아비탁스), 파니투무맙(제품명 : 벡티빅스)가 사용됩니다. 원발 부위가 대장의 오른쪽이라면 이들 항암제의 감수성이 낮고, 왼쪽이라면 감수성이 높은 것을 알고 있습니다.

▶치료강도

 종양을 축소시키는 작용은 사용하는 약제에 따라 차이가 있습니다. FOLFOXIRI(풀오로라실[제품명:5-FU] + 레보호리나트[제품명:류코보린] + 옥살리플라틴 [제품명 : 엘프라트] + 이리너테칸 [제품명 ; 이리노테칸] + 베바시주맙 [제품명 : 아바스틴]는 부작용은 크지만 종양을 축소시키는 효과가 높다는 특징이 있습니다. 종양이 큰 것에 의한 증상이 나오고 있는 경우나, 수술을 할 수 있게 될 가능성이 있는 경우에는, 부작용이 강하더라도 치료 강도 높은 치료법을 선택합니다.

진행·재발 대장암의 1차 치료와 2차 치료 이후의 치료선택

 기본이 되는 병용 요법으로서 FOLFOX(5-FU+레보호리나트+옥살리 플라틴)와 FOLFIRI(5-FU+레보호리나트+이리노테칸)가 있습니다. CapeOX(카페시타빈[제품명 : 젤로다]+옥살리플라틴)와 SOX (S-1[제품명 : 에스 원]+옥살리플라틴)는 FOLFOX의 변화형으로 5-FU 대신에 동일 계통의 경구 항암제 카페시타빈을 사용한다.

 FOLFOXIRI는 FOLFOX와 FOLFIRI에서 사용하는 항암제를 합한 병용요법입니다.

효과를 높이기 위해, 이러한 병용 요법에, 분자 표적제인 베바시주맙을 추가합니다. 항EGFR 항체약의 세톡시맙과 파니투무맙은 암세포의 RAS 유전자를 조사해 변이가 없는 야생형의 경우에 사용합니다. 현시점에서는, FOLFOXIRI에 세툭시맙 또는 파니투무맙을 병용 하는 것은, 임상 연구의 범주가 됩니다 .베바시주맙은 유전자 변이에 관계없이 효과를 발휘해, 경구 항암제의 티에스원이나 카페시타빈과의 병용에서도 유효성이 있는 것이 증명되고 있습니다.

 BRAF 유전자 검사도 2018년 8월부터 보험으로 실시할 수 있게 되었습니다. BRAF 유전자에 변이가 있는 대장암은, 항EGFR 항체약이 효과가 없기 때문에, 변이가 있었을 경우, 1차 치료에서 세툭시맙이나 파니투무맙을 사용해서는 안됩니다. 또 암의 성질이 강하기 때문에, FOLFOXIRI에 베바시주맙을 병용한 투여법이 이용되는 경우가 많습니다.

▶1차 치료

자주 사용하는 것은, "FOLFOX+베바시주맙" "CapeOX+베바시주맙" "SOX+베바시주맙" "FOLFORI+베바시주맙" 등이다. RAS 야생형의 경우에는 “FOLFOX + 세툭시맙 또는 파니투무맙”도 사용됩니다. 1차 치료가 정해지면, 2차 치료나 3차 치료는 자동적으로 결정됩니다(그림 참조).

▶2차 치료이후

1차 치료에서 "FOLFOX+베바시주맙" "CapeOX+베바시주맙" "SOX+베바시주맙"의 어느 쪽을 실시했을 경우, 2차 치료는 ‘FOLFIRI + 베바시주맙“이 된다. "2차 치료의 베바시주맙을 라무시루맙 (제품명 : 사이람자)나 아플리베루셉트(제품명 : 잘트랩)로 바꾸기도 하지만, 이들 약제의 사용 구분의 과학적 근거는 아직 명확하지 않습니다. RAS 야생형이라면 3차 치료는 "이리노테칸+세톡시맙 또는 파니트무맙"이 되고 4차 치료가 "레고라페닙(제품명 : 스티버거)"나 ”TAS-102 (제품명 : 론서프)이 됩니다.

1차 치료에서 "FOLFORI+베바시주맙"을 실시했을 경우는, 2차 치료는 "FOLFOX+베바시주맙", "CapeOX+베바시주맙"이든지 “SOX + 베바시주맙” 중 한 가지가 된다. .RAS 야생형이었던 경우는 3차 치료로 "이리노테칸+세톡시 맙 또는 파니투무맙"이고, 4차 치료로 "레고라페닙"이나 "TAS-102"가 됩니다.

 RAS 야생형으로, 1차 치료로는 "FOLFOX+세톡시맙 또는 파니투무맙"을 투여했을 경우, 2차 치료는 "FOLFORI+베바시주맙"이 됩니다 .이 베바시주맙을 "라무시루맙"이나 "아플리베르셉트"로 바꾸는 일도 있습니다만, 이러한 사용 구분에 있어서도, 과학적 근거는 아직 명확하지 않습니다. 3차 치료는 "레고라페닙"이나 "TAS-102"가 됩니다. 이상이 비교적 많이 사용되고 있는 치료법입니다.

도면 : 치료제의 선택법

1차

치료

FOLFOX+베바시주맙 혹은

CapeOX+베바사주맙 혹은

SOX+베바시주맙

FOLFIRI+베바시주맙

FOLFOX+세툭시맙 혹은

FOLFOX+파니투무맙

※(RAS 야생형)

↓ ↓ ↓

2차

치료

FOLFIRI+베바시주맙

(FOLFIRI+라무시루맙、

FOLFIRI+아플리버셉트)

FOLFOX+베바시주맙 혹은

CapeOX+베바시주맙

FOLFIRI+베바시주맙

(FOLFIRI+라무시루맙、

FOLFIRI+아플리버셉트)

↓ ↓ ↓

3차

치료

이리노테칸+세툭시맙 혹은

이리노테칸+파니투무맙

※ (RAS 야생형)

이리노테칸+세툭시맙 혹은

이리노테칸+파니투무맙

※ (RAS 야생형)

레고라페닙 혹은

트리플루리딘 . 티피라실

↓ ↓

4차

치료

레고라페닙 혹은 트리플루리딘 . 티피라실

레고라페닙 혹은 트리플루리딘 . 티피라실

※은 RAS 야생형의 경우

대장암진료가이드라인 2016년 판을 참고하여 작성.

진행 · 재발 대장암의 화학요법의 부작용 대책

 화학요법에 의한 부작용은 사용하는 약제에 따라 다릅니다. 여기에서는 자주 사용되는 병용요법의 부작용 대책에 대해 소개합니다.

▶Cape OX+베바시주맙

 카페시타빈은 경구제이므로, 정해진 시간(통상, 아침 식사 후와 저녁 식사 후 30분 이내의 1일 2회)에 제대로 복용하는 것이 중요한 치료입니다. 대표적인 부작용은 손발 증후군으로 손바닥이나 발바닥에 피부장애가 일어납니다. 피부를 케어하기 위해 보습연고를 바르고 증세가 강한 부분에는 스테로이드 연고를 사용합니다. 골수 억제에의 대책도 필요하고, 감염증을 일으켜 발열했을 때는, 항생 물질을 처방되기도 합니다. 어떤 경우에 복용하는지 등의 설명을 들어야 합니다. 설사에 대해서는 설사약인 로페라미드(제품명 : 로페민 등)가 미리 처방됩니다. 소화기 증상 등에 의해서 식사를 취할 수 없을 때는, 빨리 병원에 연락하는 것이 필요합니다. 치료를 거듭해 가면, 옥살리플라틴에 의한 부작용으로 저림이 나오게 됩니다. 한랭 자극이 유발요인이 되므로, 차가운 물에 접하는 것이나, 차가운 음료를 피하도록 합니다. 베바시주맙의 부작용으로 고혈압이나 단백뇨(단백질이 많은 소변)가 나오는 수가 있습니다. 혈압은 가정에서 재고 혈압이 높아질 경우에는 혈압 강하제가 처방됩니다.

▶FOLFOX+세툭시맙

부작용으로 가장 큰 문제가 되는 것은 세톡시맙에 의한 피부 발진입니다. 그것을 예방하기 위해, 항생 물질인 미노사이클린(제품명 : 미노마이신 등)을 내복 합니다. 게다가 선크림과 보습연고를 사용하고 증세가 심한 부분에는 스테로이드 연고를 사용합니다. 피부를 청결하게 유지하는 것도 중요합니다. 이 병용요법에서는 설사대책도 필요합니다. 극히 드물게 간질성(결합 조직, 신경 조직, 혈관을 포함한 기관의 지지(支持) 조직) 폐렴이 일어나는 수가 있습니다. 발병은 1%미만입니다만, 발병하면 생명이 위독하기도 하므로, 시급한 입원 치료가 필요합니다. 초기 증상은 발열이나 기침이므로, 이러한 증상이 나타난 경우는 곧바로 병원에 연락해 주세요.

▶FOLFOXIRI+베바시주맙

가장 문제가 되는 부작용은 호중구 감소로, 감염증을 일으키기 쉬워지므로 주의할 필요가 있습니다. 감염증이 일어났을 때를 위해, 미리 항생 물질을 처방하기도 합니다. 설사와 식욕부진도 잘 나타나는 부작용입니다. 구역질 예방을 위해 제토제 아플레피탕트(제품명 : 이멘드), 파로노세트론 (제품명 : 아록시)이나 오랑자핀(제품명 : 디플렉사 등)등을 사용합니다. 증세가 심할 때는 참지 말고 병원에 연락하세요.

▶FOLFIRI+라무시루맙

설사나 골수 억제가 나타납니다. 설사가 일어났을 때 특히 고령자는 음료나 음식을 먹지 않는 경우가 있습니다. 설사를 하면 체내의 수분이 없어지기 때문에 이러한 때일수록 수분을 확실하게 섭취할 필요가 있습니다. 라무시루맙을 사용하면 단백뇨가 나오는 수가 자주 있습니다. 정기적으로 소변검사를 행하고, 단백뇨가 나온 경우에는 라무시루맙의 투약을 당분간 쉽니다.

▶레고라페닙

레고라페닙의 주된 부작용은, 수족 증후군, 설사, 식욕 감퇴, 비료, 쉰 소리 등의 발생 장애, 고혈압, 발진, 탈모, 구내염, 동통 등ㅍ입니다. 수족증후군은 손이나 발바닥이 찌릿찌릿하고 통증, 붉게 붓거나 껍질이 벗겨지는 증상입니다. 중증이 되지 않기 위해서는, 보습 크림 등을 발라서, 손발의 피부의 건조를 막는 것이 중요합니다. 복용 중에는 무명 장갑에 고무장갑을 끼고 물일을 하고, 보행 시는 목면의 두꺼운 양말을 신는 등, 손발을 보호하면 좋을 것입니다.

▶TAS-102

TAS-102의 주된 부작용은, 호중구 감소증과 구역질, 식욕 부진, 설사, 권태감, 빈혈, 혈소판 감소증 등입니다. 호중구가 감소하면, 감염증에 걸리기 쉬워지므로, 손 씻기나 양치질을 부지런히 합니다. 필요하면, 호중구·백혈구를 늘리는 G-CSF 제제를 주사합니다.

▶이리노테칸

이리노테칸의 주요 부작용은 빈혈, 설사, 구토, 식욕부진, 복통, 장염, 장 마비, 탈모 등입니다. 많은 사람이 설사 증상이 납니다. 투여 24시간 이내에 발생하는 조발성 설사나, 1주일 전후에 피크가 되는 설사 등, 증상에 맞추어 약을 사용합니다.

수술대상이 되지 않는 진행성 재발 대장암 화학요법의 목표는 부작용을 억제하고 치료를 계속하며 보다 좋은 생활을 가능한 한 길게 하는 것입니다. 부작용은 참지 말고 어떤 부작용이 어떻게 괴로운지, 생활상의 질환 때문에 투약의 시기를 미루는 등, 주치의에게 부작용의 대책이나 투약의 휴지 , 감량을 자주 상담하여, 화학요법을 오래 계속할 수 있으면 좋다고 생각합니다.

프로필

야마구치 켄세 박사

1990년 방위 의과 대학 졸업

1996년 사이타마 현립 암센터 임상검사부 의원

1998년 사이타마현립 암센터 임상검사부 의장

2001년 사이타마현립 암센터 소화기과 의장

2005년 사이타마현립 암센터 소화기내과 부부장

2013년 사이타마현립 암센터 소화기내과장 겸 부장

2015년 암연 아리아케 병원 소화기화학요법과 부장

2017년 암연 아리아케 병원 원장 보좌

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